「サントリー天然水」2Lペット刷新、水色基調に変えた理由とは 背景に30年で30倍以上の水市場拡大


「サントリー天然水」(奥大山、南アルプス、阿蘇)

「サントリー天然水」(奥大山、南アルプス、阿蘇)

これまでの白色基調から小容量と同じ水色基調へ

サントリー食品インターナショナルは、2021年に発売30周年を迎える「サントリー天然水」の2Lペットボトルのパッケージを刷新し、4月6日から水色を基調としたラベルにした。キャップも水色にし、水源からイメージされる冷涼感や清々しさを訴求していくねらいだ。

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これまで「サントリー天然水」のラベルは、小容量製品は水色を基調とし、大容量製品は白色を基調としていた。それは、大容量のミネラルウォーターを、いかに生活に浸透させていくかを意識していたからだという。そのため、冷蔵庫の内部は白色が多いことから、大容量は白色の基調を採用していた。

だが、日本のミネラルウォーター市場は、この30年間で30倍以上に拡大した。日本ミネラルウォーター協会によれば、ミネラルウォーター類の国内生産量と輸入量の合計は、1989年は11万7279キロリットルだったが、2019年は400万729キロリットルで約34倍に拡大しており、日本人の生活に浸透してきた。

これは、2006年の猛暑や2011年の東日本大震災、そしてその後も多発する猛暑や地震・台風などの自然災害の際に水の備蓄需要がその都度高まり、そのまま日常生活でも飲用されるようになってきたためである。さらに、2020年からは新型コロナの感染拡大により在宅時間が増え、家庭内で水の需要がいっそう増加した。

「サントリー天然水」も、国内清涼飲料市場における年間販売数量が、全ブランドの中で2018年から3年連続トップとなり、日本を代表するブランドに成長している。

そこで、サントリー食品インターナショナルは、ミネラルウォーターの生活の中への浸透は進んだと考え、「サントリー天然水」のコアな価値である水源の価値、それがもたらす冷涼で澄み切ったイメージを大容量でも強調するため、描かれた山の背景に澄み切った青空が広がるようなイメージの水色を基調としたラベルへ刷新した。

さらに、今回の大容量のパッケージ刷新は、小容量の強化にもつながる取り組みだという。サントリー食品のブランド開発事業部の平岡雅文課長は次のように話す。「冷蔵庫の中にペットボトルのお水が入っていることが浸透している。その環境で育った10~20代の方は、自分で飲み物を購入する際に水の選択率が上がっている。大容量の生活への浸透から、小容量のパーソナルユースへの流れがあるとみている」

サントリー食品 平岡課長

サントリー食品 平岡課長

「水は非常に特殊な飲料といえる。通常の飲料は小容量で自分が気に入ったものを家でたくさん飲みたいため、お客様は大容量を購入される。つまり、ブランディング(ブランドイメージ)の基点は小容量である。これが水の場合は、大容量が生活の中に入っているために、小容量を購入するという流れがある。そのような背景からも、大容量がいかに生活の中でお客様にブランドとして認識されるのかという重要性が水に関してはあると考え、今回の大容量パッケージのデザイン刷新にチャレンジした」。

そして、「サントリー天然水」は、2020年11月からもう一つ変更していることがある。それは、災害などの不足事態の発生時でも、より安定した供給をできるように、製品名を「サントリー天然水」に統一したことだ。

それにより、従来は「南アルプス」「奥大山」「阿蘇」の採水地ごとに分かれていたバーコード(JANコード)を統一し、災害や猛暑などで需要が急拡大した場合も、各地から供給して対応できるようになった。また、2021年5月からは長野県大町市の「北アルプス信濃の森工場」が稼働し、7月頃から「サントリー天然水 北アルプス」が出荷される見通しで、供給体制をいっそう強化していく。

平岡課長は、今後について、「飲み物としての飲用価値だけでなく、社会の中でインフラ化している背景に対して、人の営(いとな)みに寄り添うブランドとして、お客様に認識してもらえるように取り組んでいきたい」としている。

健康志向にとどまらず、災害の多発や新生活様式の開始など、世の中が大きく変化したことで、ミネラルウォーターが果たすべき役割は高まっている。トップの「サントリー天然水」の大容量ラベル刷新は、ミネラルウォーターの存在感がさらに増すきっかけになりそうだ。

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2021/04/2021-0408-1359-16.html
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