日清オイリオ「グループビジョン2030」発表、2030年度に売上高5,000億円を目指す


日清オイリオグループ 久野社長

日清オイリオグループ 久野社長

日清オイリオグループは3月31日、東京都中央区の本社で、2030年度に目指す姿として定めた「グループビジョン2030」と、2021年度からスタートする中期経営計画を発表し、久野貴久社長が説明した。

2030年に目指す事業規模は、売上高5,000億円、営業利益300億円、ROE(自己資本利益率)8%以上とした。また、2024年度までの4カ年の新中期経営計画「Value Up +」では、売上高4,000億円、営業利益170億円、ROE8%を目標に掲げた。

久野社長は、「2030年に向けて、地球規模での社会課題の解決のために、私たちが提供する商品、サービス、すなわち『生きるエネルギー』をすべての人に届ける企業グループになることを目指す。油脂を素材として提供するだけでなく、他の食品メーカーや素材メーカーなどと一緒に価値を共創していくことが重要だ。油脂という素材が持つ、食卓から工場まであらゆるチャネルでお客さまとの接点を持っている強みにより、社会課題解決のためのプラットフォームの役割を担うことで可能になると考えている」と述べた。

「もっとお客さまの近く」でビジネス展開、油脂を極めグループ全体の推進エンジンに

2030年度の目標実現に向けて、「社会との共有価値の創造、すなわちCSVを成長ドライバーとしたい」と語った。成長に向けた基本方針として、「これまでより『もっとお客さまの近く』でビジネスを展開する」を掲げる。

「そのためには、環境変化・機会を捉えるマーケティングを実践し、マーケティング戦略を支えるテクノロジーを活用・追求するとともに、グローバルで事業の展開エリアを拡大していく。『もっとお客さまの近く』を言い換えると、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションになる」と説明した。

価値創造を実現する新たな事業戦略単位を、「油脂」「加工食品・素材」「ファインケミカル」に変更した。各事業の目指す姿として、「油脂」は「これまでの油脂・油糧、加工油脂を一つにまとめた。コアコンピタンスの油脂を極めると同時にグループ全体の推進エンジンとする。また、チョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの世界でトップレベルの企業グループ入りを果たしていく」とした。2030年度には売上高3,550億円、構成比71%を目指す。

「加工食品・素材」は、「アプリケーション技術や食品の開発力を磨き、食品としてのおいしさや健康において共感を生む価値を創造していく。また、当社グループの持つ食品素材を体系化する。食の潮流の変化を捉えて、市場ニーズに迅速に応えていき、油脂の価値を高める好循環サイクルをつくっていく」と説明した。2030年度には売上高1,000億円、構成比20%を目指す。また、「ファインケミカル」は2030年に400億円、構成比8%を目標に掲げた。

成長シナリオについては、「売上拡大」「収益性向上」「基盤強化」の3つを軸に事業を展開していく。売上拡大では、BtoCで100億円の上積みを図る。「これまでの流通の課題解決から、生活者の課題解決と満足度向上に力点を移すことを主眼とする。生活者ニーズの理解、脂質栄養の探求、情報発信、共感を得られる商品開発力を強化することで、家庭用市場拡大をけん引していく」と述べた。BtoBでは1,300億円の拡大を図る。グループ全体で国内、グローバル市場でのソリューション力を高め、M&Aで規模を追求していく。BtoBtoCは300億円の増加を見込む。「油脂と油脂に関連する素材の強みを活かし、当社が主体的、あるいは参画的にマーケット起点で新たな価値を共創することで、売上拡大を実現していく」と述べた。

海外は東南アジア・中国、欧州、北米を対象に、売上高1,500億円、売上高比率30%を掲げる。注力分野はフードサービス、チョコレート・製菓・製パン、健康・栄養機能などとした。

また、新中計については、「前中計で大切にしてきた考え方を追求するとともに、『ビジョン2030』で中心に据えた考え方を両立させる。マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを追求し、CSVを成長ドライバーに成長路線を加速する」とした。

前中計は営業利益130億円の達成を評価、MCTはBtoBtoCのきっかけに

また、久野社長は前中計を振り返り、「1年前倒しで営業利益130億円の達成は評価している。また、油脂に対するポジティブイメージの定着がある。世の中的な流れとわれわれがそうした部分の両面が噛みあい、家庭用マーケットの価値創造を十分に果たすことができた。一方で、欧州、インドネシアはようやく軌道に乗り始める頃合いで、想定よりも少し遅い。品質に対する要求の高まりもある。ISFにおける生産能力がひっ迫してきたため、出力の上でもう一段ギアを入れる課題も見えてきた」と総括した。

また、「次期中計と『ビジョン2030』のBtoBtoCのきっかけは、MCT(中鎖脂肪酸)に対する手応えだ。市販用でスーパーの棚に並べられたことは一つだが、MCTを1つの素材として、BtoB、さらにその先の社会課題解決という意味での脂肪燃焼体質の普及や、もう少し時間がかかると思うが、フレイルなどへの関与、コミットといった取り組みが、ほかの素材でも可能になってくるのではないかという手ごたえがある。それが次につながっている」と述べた。

〈大豆油糧日報2021年4月2日〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/soy/2021/04/2021-0402-1029-16.html
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