ラベルレス飲料が一気に拡大、環境と利便性で支持、店頭展開も本格化へ


キリンビバレッジ「キリン生茶」「キリン生茶 ほうじ煎茶」

キリンビバレッジ「生茶 ラベルレス6本パック」「生茶ほうじ煎茶 ラベルレス6本パック」

ラベルレスの飲料製品は、2020年から一気にラインアップが広がり、各社が注力している。ペットボトルにラベルをつけないラベルレスボトルは、アサヒ飲料が業界に先駆けて2018年にネット通販で水製品をケース販売したことからスタートした。それ以来、ラベルをはがす手間がないことや、プラスチックの樹脂量の使用を減らせることから人気となった。コロナ禍で在宅時間が増加した2020年はネット通販で飲料のケース販売がさらに増加した。2021年もキリンビバレッジの「キリン生茶」のラベルレス製品が発売されるなど、参入メーカーが増えている。

各社のラベルレス導入は進んでおり、コカ・コーラシステムでは、2020年4月に「い・ろ・は・す」、同8月から「綾鷹」「爽健美茶」「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」のラベルレス製品を展開。サントリー食品インターナショナルは、11月からネット通販向けに「サントリー天然水 スパークリングレモン」と「伊右衛門」を通年販売としては初めてラベルレスにした。また、11月には伊藤園も「お〜いお茶 カフェインゼロ」のラベルレス製品を発売している。

コカ・コーラシステム「綾鷹」「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」「爽健美茶」

コカ・コーラシステム「綾鷹」「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」「爽健美茶」

ボトルコーヒーでは、味の素AGFが2019年8月に通信販売限定で「ブレンディ ボトルコーヒー ラベルレス 無糖」を発売した。2020年には「低糖」と「微糖」の2種も追加されている。展開しているメーカーによれば、購入者の感想では、「ゴミが少ないから環境に良い」「ラベルをはがす作業がいらないので便利」といった反応があるという。特に支持されている要因は、“ラベルをはがす手間が省けること”を挙げるメーカーが多い。

2021年に入っても、大塚製薬が1月に「ポカリスエット」と「ポカリスエット イオンウォーター」のラベルレス製品(各300ml)をネット通販でケース販売を開始した。大塚製薬は、2019年10月から「ポカリスエット イオンウォーター」のラベルレス製品をテスト販売して手応えを得たため、満を持して投入したという。UCC上島珈琲は、2月から「UCC 職人の珈琲 無糖」(930ml)のラベルレス製品を一部のネット通販限定で展開している。

各社のラベルレス飲料

各社のラベルレス飲料

 

ラベルレス製品の店頭展開も本格化

そして、これまでラベルレス製品は、ネット通販でケース買いされることが多かったが、2021年は店頭でもラベルレス製品が本格的に並ぶ年となる。キリンビバレッジは、「生茶」を環境のフラッグシップブランドと位置づけ、その一環としてラベルレス製品を3月23日から投入した。全国の量販店で「生茶 ラベルレス6本パック」と「生茶ほうじ煎茶 ラベルレス6本パック」を、ネット通販限定で「生茶 ラベルレス」と「生茶ほうじ煎茶 ラベルレス」をラインアップしている。

単品販売も本格的にスタートする。アサヒ飲料は、「『アサヒ おいしい水』天然水 シンプル eco ラベル」(585mlPET)を、4月13日から東日本の一部エリア限定で、店頭と一部の自動販売機においてテスト販売する。これまで採用していたロールラベルに替えて、原材料などの法定表示を記載した小面積のタックシールを片面に貼付することで、店頭での単品販売が可能になった。

これまでラベルレス製品は、法定表示を外装ダンボールに記載していたため箱売り中心だったが、タックシール採用で、ついにバラ売りできるようになった。ラベルは、単なるデザインや製品情報を載せるだけでなく、製品の中身を守るという点で重要な役割がある。だが、自宅など外部環境に影響を受けない場所では、必要性が低いかもしれない。ラベルレス製品は、在宅需要が高まる中、今後さらなる拡大が予想される。なお、数量限定ではあるが、サントリー食品インターナショナルも、2020年に続き「伊右衛門ラベルレス」を3月30日からコンビニエンスストアと交通売店で、数量限定発売する。

アサヒ飲料「『アサヒ おいしい水』天然水 シンプル eco ラベル」、サントリー食品インターナショナル「伊右衛門ラベルレス」

アサヒ飲料「『アサヒ おいしい水』天然水 シンプル eco ラベル」、サントリー食品インターナショナル「伊右衛門ラベルレス」

アサヒ飲料は、2020年のラベルレスボトル製品の販売数量が、コロナ禍における家庭内需要の高まりもあって、前年より2.1倍の223万箱まで拡大したと発表している。そして、2021年は、300万箱(前年比134%)を目指すとした。これにより、ラベルのプラスチック樹脂の使用量は年間約70tの削減、CO2排出量は年間で約230tの削減を見込む。

アサヒ飲料の米女太一社長は、1月に行われた方針説明会でラベルレス飲料について次のように述べている。

「プラスチック樹脂の使用量自体を減らしていく取り組みの一つとして、当社が業界に先駆けて発売したラベルレスボトルは、2018年の発売以降、お客様の強い支持を得ることで着実に成長した。コロナ禍における巣ごもり生活においても、改めて環境にやさしく、手間が省けるという点から評価されている」。

「いまや、各社からさまざまな製品が発売され、ひとつのカテゴリーを形成しつつあり、環境負荷低減と利便性向上の両立という新しい価値を創出することができた。2021年はすでに展開しているケース販売を前提としたラベルレスボトルに加え、4月から店頭だけでなく、自販機でも単品販売をチャレンジする」。

各社ともお互いの販売の状況や、ユーザーの声を検証しながら、生活者の共感を得るためにも、ラベルレス飲料の取り組みをさらに推進する考えだ。

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2021/03/2021-0326-1831-16.html
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