日本水産「独自技術・原料調達力を活かした商品開発で市場の変化にも対応」/金澤建支業務用食品部長インタビュー


日本水産業務用食品部長・金澤建支氏

日本水産業務用食品部長・金澤建支氏

――上期の業務用食品事業の総括

公表数値で、ニッスイ個別(国内)での業務用調理冷食売上高は前年比6.0%減179億円、約半数が業務用の農産冷食が7%減63億円となった。特に業務用はコロナ禍の影響が大きかったが、好調なお客様・カテゴリーでは伸ばすこともできたと捉えている。

販売ルート別で見ると、外食は全体として苦戦したが、特に居酒屋やホテル向けは厳しい状態が現在までも続いている。そうした中でも、ファストフード、デリバリーなど業態によっては比較的良く、そちらでは伸ばせている。

給食では、学校給食は休校で第1四半期は悪かったが、第2四半期以降は学校再開で持ち直し、夏休みの8月も給食が実施され上乗せになった。反面、事業所給食は大手企業中心に在宅勤務・テレワークが拡がり苦戦し、そのままの状況が続いている。

中食で、CVS(コンビニエンスストア)向けは回復傾向にあるが、業態全体と同様に苦戦ぎみだ。量販惣菜は大型店・小型店で差があるが、前年比96~100%の間で推移している。

また、生協宅配向けの個食タイプ商品(冷凍のオムライス、グラタン・ドリアなど)が伸びており、今後もラインアップを増やすなど対応したい。

商品カテゴリー別でみると、主力の水産揚げ物は合計で前年並だった。メーンとなる量販惣菜で、コロナ感染防止のためバラ売りからパック売りへ販売方法が移った。それに価格・量目でうまく対応でき、エビフライ・アジフライを伸ばせた。また、販促をかけたタラかつや、白身フライ、カキフライも比較的好調だ。中華では昨年発売した大粒肉シューマイが、この上期も順調に推移した。

近年好調のグラタン・ドリアは上期も引き続き好調で前年を上回った。在宅勤務・巣ごもりの中で個食タイプの商品として支持を受けている。

反面、外食向けのスナック類、エビ唐揚げなどおつまみ系唐揚げ類、イベント・催事中止、帰省減少の影響を受けた鶏加工品、枝豆、オードブル向け商品といった商品群は苦戦した。

――足元の市場環境と対応

GoToトラベル、GoToイートもあって人の動きができ、10月はここ数カ月では最も好転した。得意先からもお客が戻ってきたと聞いており、回復傾向とカレンダーの巡りもあって我々の数字も一息ついたところだった。

量販デリカは、来店頻度が下がる中、デリカは目的買いではない場合も多く、在宅勤務などで内食が増えているほどには伸びていない。

市場・売場が大きく変化する中で、デリカのパック売りへの対応、テークアウト・デリバリーへの対応と、短期・中期的にできることを整理し、それぞれにスピードを上げて取り組みたい。コロナ以前からもテークアウト・デリバリーに軸足を置いた商品開発でお客様に対応してきていたが、それ以外のお客様にも販促物を作って提案強化していく。

――下期の重点施策について

引き続き市場ニーズの高いテーマでの取り組み強化、お客様のメリットに軸足を置いた商品開発を重視していく。具体的には、当社独自の技術や原料調達力を生かした商材や、さまざまな場面での人手不足の解消に役立つ商品開発などである。コロナ禍でさまざまな変化があるが、簡便志向・定番強化の流れは変わっていない。

カテゴリー別では、中華カテゴリーは昨年の「大粒肉シューマイ」、今春刷新した春巻など商品が揃ってきており、積極的に販促していく。また、今秋刷新した「クリーミーコロッケ」等クリームコロッケ類、「ごちそういかカツ」などいか加工品を投入した水産揚げ物類をしっかり案内する。

そして上期に好調だったグラタン・ドリア、水産揚げ物類をさらに積極的に販売していく。ルート別では、落ち込んだ外食業態、給食業態への対策を打ちながら、前述の通り好調業態への取り組み強化を同時に行っていく。

また当社の課題として、ようやく在庫物流費が落ち着いてきたところで、これから物流費削減に向けてさらなる効率化を進めていく。

〈冷食日報2020年12月4日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/frozen/2020/12/2020-1204-1643-14.html
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