鹿児島市「かごっまふるさと屋台村」、大晦日の閉村に向けカウントダウン


鹿児島県内の焼酎の蔵元から届いた新酒

鹿児島県内の焼酎の蔵元から届いた新酒

2012年4月に鹿児島市の玄関口・鹿児島中央駅前にオープンした「かごっまふるさと屋台村」(以下「屋台村」・NPO法人鹿児島グルメ都市企画)は2020年大晦日、8年9ヵ月の歴史に幕を下ろす。

26店舗の飲食店が軒を連ねる屋台村はこれまで、「中心市街地活性化」「地産地消」「食と観光の情報発信拠点」「若手起業家の育成」をコンセプトに、本格焼酎をはじめとする同県の豊かな食文化を発信し、観光、地域の盛り上げに貢献してきた。閉村に向けてカウントダウンに入る同施設を取材した。

地消地産にこだわり、県下蔵元の新酒がずらり

10月から11月にかけて屋台村の各店舗には、県内の焼酎の蔵元から届いた新酒が並ぶ。「時間が経つと風味が全然違うものになる。これだけの新酒は県外ではそう飲めない。ここでしかできない体験だ」と胸を張るのは、屋台村の4代目村長・繰英一郎氏。

屋台村 4代目村長・繰氏

屋台村 4代目村長・繰氏

年間来場者30万人を目標に掲げて開設された同施設は、年間約50万人を集客する人気スポットとなった。県産食材にこだわった料理や焼酎はさることながら、店主や同席した客との会話を楽しみに訪れる常連客が多いという。食材は県内産のものを使う地産地消。繰氏は「この縛りがあることで、地元の良いものを掘り起こし、知ることができた」と、出店者にとっても発見の契機となった。

同施設のコンセプトのひとつには、「食と観光の情報発信拠点」が掲げられている。会話を通じて県の魅力を伝えられるよう、店主向けには方言や観光案内の研修などが設けられている。また、地域色豊かな店舗をはしごする中で、各地の特色が客同士の会話で連鎖的に伝わる効果もある。広い県内を「一度では楽しみきれなかった」と、リピートする観光客が増えたという。

「若手起業家の育成」も目的とする同施設では、「村民」である店主が3年ごとに約3分の1ずつ入れ替わる。メンバーは数百店舗を展開する経営者から一人親方まで幅広い。村民会は4班に分けられており、班の先輩が後輩を育成する仕組みは、薩摩藩の教育制度「郷中教育」さながらだ。

感染防止策は万全に「足を運んで」

開設当初からこれまで、世の中の変化に応じて村全体で知恵を出し合い運営してきたが、最後の年にコロナ禍に見舞われた。閉村日である大晦日、焼酎をふるまい盛大に乾杯できるか否かは、不透明なままだ。繰氏を筆頭に、「オンラインイベントなども一案だが、屋台村はお客さんと店とのコミュニケーションが売り。あえてアナログにこだわりたい」と策を練っている。

残すところ約1ヵ月半、店内のアクリルパネルの設置、席のアルコール消毒、店員全員の検温と記録、マスク着用、施設入り口での来店客の検温と手指消毒など、感染防止策を万全に講じた上でカウントダウンを迎える。安全面を前面に打ち出し、「沢山の出会いと思い出を振り返りに来てほしい。まだ来たことがない人たちも、一度足を運んでみて」と呼びかける。

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2020/11/2020-1118-1636-16.html
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