台湾が口蹄疫ワクチン非接種清浄地域に、生鮮豚肉の対日輸出再開を目指す


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現状はソーセージ、トンポーローなど加熱豚肉製品を6施設で輸出

国際獣疫事務局(OIE)は6月13日、台湾(金門島を除くすべての地域)を口蹄疫ワクチン非接種清浄地域に認定した。

台湾は1997年に口蹄疫が発生、23年を経ての清浄化となった。口蹄疫発生で、日本をはじめとした生鮮豚肉の海外輸出市場を失い、この間は、ほぼ国内供給のみを行ってきた。今回の清浄地域認定を受けて、生鮮豚肉の対日輸出再開を目指す。

日本の台湾産豚肉の輸入量は、輸入停止直前の1995年、1996年とも26.6万tで、年間豚肉輸入量に対する台湾産のシェアは1995年が40%、1996年は51%に達し、当時、台湾産豚肉は日本市場にとってなくてはならない存在だった。

台湾では、口蹄疫発生後、行政院が農業委員会に口蹄疫の即時撲滅を指示し、ワクチン非接種清浄地域を目標に、政府、業界、学会が共同での取組みを行ってきた。結果、2017年5月にOIEからワクチン接種非流行地域に認定され、2018年7月1日にワクチン接種を中止した。その後、OIEの審査を経て、今回、ワクチン非接種清浄地域認定を受けた。

現状では、日本は加熱豚肉製品を輸入しているのみで、生鮮豚肉の輸入が実現しても、関税面の問題や、北米産チルドポークが我が国の輸入豚肉市場で主流になっていることを考えれば、それが急拡大することは考え難い。だが、地理的なメリット、当時の日本市場で親しまれた品質を踏まえれば、将来、供給先の選択肢としては有望といえる。

台湾ではCSFワクチンを接種しており(日本も地域限定のCSFワクチンを接種)、日本の農水省消費・安全局動物衛生課では、生鮮豚肉の輸入解禁には口蹄疫、ASF、CSFの3つの疾病について清浄性を求めており、実際に生鮮豚肉の輸入が実現するには、もう少し時間がかかりそうだ。

今回、台湾行政院農業委員会に、台湾での豚肉の生産動向、輸出マインドなどを聞いた。

2019年(1~12月)の台湾豚肉生産及び消費現況

養豚場は6,759戸、飼養頭数は551.4万頭、市場で取引された数は798万頭、と畜重量(枝肉)は82万t、豚生産額は709.4億台湾ドルだった。一方で、台湾国民1人当たり豚肉消費量は約36~37kg、豚肉総消費量は約90万tであり、9割を国内生産、1割を海外輸入で補充している状況だ。

主要豚肉輸入国は、カナダ、スペイン、米国、オランダ、デンマークで、冷凍豚肉が主で豚肉加工品の原料に利用され、レストランで消費されることが多い。

台湾豚肉の特色及び海外輸出の展望

台湾は亜熱帯地域のため、豚舎は常にシャワーなどにより洗浄し清潔を保っている。豚飼育期間は海外に比べて長く、市場取引時には重量124kgに達する。豚の肉質は甘めで臭みがなく、脂身との口当たりのバランスが絶妙で華人の口に合う。地理的に近い日本、シンガポール、香港及び東南アジア各国は今後、有力なマーケットであり、豚肉加工品及びカスタマイズでカットされたチルド豚肉の有力な輸出先国となる。今後、台湾の特色ある豚肉商品を開発し、ニッチ市場へも参入し、台湾豚肉の国際知名度を上げていく方針。

今後の生産動向及び対日輸出について

台湾は養豚産業の構造転換とグレードアップを図り、豚肉産業発展と環境とのバランスをとりながら、台湾国内需要に供給する。国内豚肉生産自給率を高めることを優先すると同時に、豚肉輸出産業チェーンを整備していく。

台湾は現在6社の業者が日本向けに豚肉加工品(加熱豚肉商品)を輸出しており、ソーセージ、豚肉ふりかけ、東坡肉(トンポーロー)、ベーコン、チャーシュー等の商品は日本でも人気となっている。この6社のうち、2社は生鮮処理対応が可能だ。今後に向けては、引続き日本の消費者の口に合うおいしい、健康的かつ手軽な豚肉加工品を開発する方針。また、生鮮豚肉に関しては日本市場への輸出に積極的に取り組み、日本の消費者にさまざまな商材を提供していきたい。

〈畜産日報2020年7月13日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2020/07/2020-0713-1453-14.html
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