福島原発事故被災12市町村の営農再開加速化に向けた構想を公表/農水省


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事故後9年経過も営農再開は3割、福島県産牛の地域内一環生産体制を構築へ

農水省は7月7日、福島県原子力被災12市町村の営農再開の加速化に向けた「市町村を超えた広域的な高付加価値産地構想」を公表した。

東京電力福島第一原子力発電所事故により避難指示があった12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯館村)では、事故後9年以上を経ても、営農再開率は事故前の約3割にとどまっている。そのため同省が、県や農業者団体など関係機関、12市町村への進出に関心のある実需者・学識経験者との意見交換を経て、需要の高い農産物などの生産・出荷や加工などの付加価値を創出する取組みを、市町村を超えて広域的に進める産地の将来像をとりまとめたもの。

畜産関連では、阿武隈地域などの中山間地での展開を見据えた取組みとして、大規模酪農牧場や肉用牛繁殖施設を核に生乳生産量を確保しつつ、繁殖基盤を強化する福島県産牛の地域内一環生産体制の構築を図る。阿武隈地域の基幹産業である畜産の再開加速に向け、ICTを導入したCBS(肉用牛繁殖施設)や大規模酪農牧場を核に、生乳生産量の回復を図りつつ、肥育用素牛を増産する地域内一環体制を構築する。

飼料の安定的かつ効率的な生産・供給体制の構築に向け、地域内コントラクターの育成や、耕種農家との連携を進め、発生する家畜排せつ物についても、たい肥の供給による地域内の地力回復に活用する。

一方で、畜産の広域的な高付加価値産地構想の具体化に向けた課題も挙げている。繁殖基盤強化に向けては、CBSの運営強化を図るため、施設の利用率向上に加え、コントラクターの育成・強化や耕畜連携による安定的な飼料確保、家畜排せつ物の適正管理を通じた良質堆肥の生産、適切な堆肥還元のための圃場確保などによる利用の促進や、課題解決のために県と関係市町村を交えた広域的な役割分担・協力体制が必要だとしている。

飼料生産の効率化に向けては、引続き適切な除染を実施し、暫定許容値以下の飼料のみが生産・利用される体制を確保し、自立的かつ持続的な活動ができるコントラクターの育成・強化、生産された飼料や堆肥が相互に有効利用されるよう生産者と実需者とのマッチングなどが課題とされている。

今年度は構想の具体化に向けた準備期間と捉え、来年度以降構想の具体化を進めるとしている。

〈畜産日報2020年7月9日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2020/07/2020-0709-1635-14.html
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