コロナ禍影響で「消費行動と意識変化の掘り下げを」/マルハニチロ池見社長


マルハニチロ 池見賢社長

マルハニチロ 池見賢社長

マルハニチロが7月3日、オンラインで開催した新商品発表会で、今年4月1日の就任後、オンラインながら初の記者会見に臨んだ池見賢社長、半澤貞彦取締役専務執行役員食品部門統括は、それぞれ要旨次のようにあいさつした。

池見社長=マルハニチロにとって今年は創業140周年の節目の年だが、年初からコロナ対応に明け暮れることとなった。これまでの常識が覆り、全く新しい価値観が次々と生まれていく中で、企業としてどう生き残っていけるか、どう責任を果たしていけばよいか正念場を迎えている。緊急事態宣言下では、家庭内需要の増加を示す巣ごもり消費という現象も生まれた。

しかし、この市場トレンドをニューノーマルとして捉えるのは多少危険だと思っている。人々の消費行動と意識は変化を続けている。それらを深く掘り下げ、消費者の皆様が本質的に何を求めており、それとマルハニチロといういう企業、ブランドが提供する価値との間にギャップが生じていないか、そうした視点であらゆる事業・商品・サービスを企業ブランディングの面で確認していく。

また、私自身もコロナ禍を通じ、食と健康を提供するという当社が担う社会的使命の重み、果たすべき役割を改めて深く認識した。我々には、いついかなる時も安全で良質な食を安定的にお届けする責務がある。本日無事に、開発担当者たちが並々ならぬ熱意のもと新商品を発表させていただくこととなり、私自身、大変嬉しく思っている。

半澤専務「問題点、課題に寄り添い、一緒に解決できるパートナーに」

半澤専務=新型コロナウィルスのパンデミックは、これまでに経験のないスピードと規模で日本はもとより世界経済全体が減速する大きな影響を与えた。当社の食品部門の事業環境、商品開発にも大きな影響があった。コロナ禍のため人・物の移動が強く制限される中で、働き方が変わり、食事を摂る場所も限定されることとなった。内食需要が高まった一方で、外食・給食など業務用ルートの経済活動が停止を余儀なくされた。

半澤貞彦取締役専務執行役員食品部門統括

半澤貞彦取締役専務執行役員食品部門統括

そうした中で、市販用冷凍食品や缶詰などの加工食品は、その保存性や簡便性が再認識され需要が高まり、それに応えるべく、従業員の安全を確保しながら増産に努めた。

一方、業務用食品はSM、CVS の中食惣菜が前年割れとなったほか、一斉休校、緊急事態宣言発令により、給食・外食・インバウンド向けは1月に発表した春の新商品の商談、さらには通常の商品の商流もほぼ停止し、かつて経験したことのない、大変厳しい状況が長く続いた。

新商品開発においても、国内・海外を問わず、移動制限で開発担当者が生産現場になかなか入れず、開発スピードに遅れが生じたり、安全性の確認に時間がかかったりしたことから、残念ながら今秋の発表を見送る商品も多数出た。

そうした中、特に厳しい品質管理基準を設定しているメディケア食品部門の新商品については発表を見送る決断をした。こうした背景から、今秋の新商品数は(家庭用冷凍食品、家庭用加工食品、業務用冷凍食品)合計で24品と、昨秋の44品から大幅に減少した。しかし、コロナ禍の中でも開発を継続し、お客様のお役に立ちたいという担当者たちの思いが詰まった商品を揃えた。

コロナとの共存する時代に入り、生活様式や価値観が見直しを迫られ、今後も変化していくと考えられる。家庭内食で高まった需要は何か、明らかになった問題点は何か、業務用のお客様が新たに向き合わねばならない課題は何か、皆様の課題に当社がどのように寄り添い、一緒に課題を解決できるパートナーになるか、常に考え行動していかねばならない。

その期待に応えるためにも、7月、東京都中央区豊海に移転する新東京開発センターの役割が大きくなると考えている。それぞれの事業分野の開発者が持つ技術やノウハウ、変化していくお客様ニーズを共有しながら、商品開発を推進できる環境を整える。

また、生産体制についても生産能力の増強や10月に稼働を開始する宮城県気仙沼市のヤヨイサンフーズの新工場を活用していくことも検討する。

〈冷食日報2020年7月7日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/frozen/2020/07/2020-0707-1607-14.html
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