〈令和2年6月の需給展望 鶏肉〉量販店中心に国産生鮮は堅調、輸入品は先々減産見通し


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国産は今後も潤沢な供給量、6月平均でモモは615円前後か

令和2年5月の鶏肉需給は、中旬以降に新型コロナウイルス感染症拡大による、緊急事態宣言が解除されたが、自発的な自粛が続いていることで、引続き家庭内消費は堅調となった。需要はモモ、ムネに限らず、手羽元も調味料メーカーがテレビCMを放映したこともあり、引合いが強まった。

一方で、外食は外出自粛、外食控えにより厳しい状況は変わらず。一部でテイクアウトや、時間短縮、座席減少での営業も見られるが、鶏肉の消費は例年より大幅に減少している。その中で、5月は前月同様、量販店需要が消費を支えたことで例年であれば、ジリ下げ展開となるが、ことしは強もちあいとなった。

5月の月間平均相場は、日経加重平均でモモが609円(前年581円)、ムネが255円(227円)となり、モモ、ムネともに前年を上回り、正肉合計では55円上回った。モモはこの一年間で前年同月相場を上回った月は見られなかったが、2019年1月以来、前年実績を上回った。例年であれば、春以降モモ需要が徐々に弱まるが、ことしは量販店における特需に支えられる形で強気な相場形成となり、結果として609円となった。ムネも底堅い需要に支えられている。

供給見通し

日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、5月の生体処理羽数は前年同月比0.4%減と予想。処理重量は2.9%減と羽数・重量ともに前年をわずかに下回る見通しだ。

しかし、6月は羽数が4.7%増、処理重量は2.1%増といずれも再び増加基調と予想している。主要産地では、北海道・東北地区の5月の処理羽数は0.1%減・重量は4.3%減を予想しているが、6月の羽数は4.4%と増加を予測。ただし重量は0.4%減とわずかに下回る。南九州地区(宮崎、鹿児島、沖縄)でも5月は羽数が0.3%減、重量が2.2%減と予測するも、6月は羽数が6.7%増、重量も5%増といずれも大きく増加する見通しとなっている。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば、6月の国産生産数は14万tで前年同月比3.8%増を見込む。5月は前年並みの生産量となったが、6月はやや上回る予測だ。4~6月の平均でも1.5%増を見込んでおり、引続き潤沢な供給量に支えられる。

一方で6月の輸入量は4.3万tと1.6%減を見込む。4月以降は前年をわずかに下回る輸入量を予測しており、4~6月平均では4.3%減を見込む。輸入品は在庫水準が高く、米国で鳥インフルエンザが発生したことに伴い、輸入停止措置などから減少見込みとなった。また、ブラジル産では新型コロナウイルス感染症がまん延しており、生産量・par 日本向け輸出量減産も懸念される。

需要見通し

国産生鮮を中心とした量販店の強い需要は、外出自粛が徐々に弱まるにつれ多少落ち着くとみられる。生産体制は目立った動物疾病などもなく安定した供給が続くとみられる。特需としての引合いは落ち着くものの、量販店の販売ベースとしては底上げされているため、需給がバランスすることで、生産量は供給過多とはならずに消費される見込み。

一方で輸入品は外出頻度が高まることで、徐々に外食シーンも増えているが、以前と同じような営業形態は難しいか。ただし、ブラジル産の対日輸出量が先々は減産見通しにあり、国内では需要が減退しているとはいえ今後は時間を要すものの、回復基調と見られ、強含む可能性もある。

価格見通し

国産生鮮モモは6月に入っても依然として610円を超えた高値を維持しており、ムネも250円台を維持した。今後も量販店を中心に安定した需要に支えられるため、相場はもちあいとみられる。そのため、月間平均ではモモが615円前後、ムネは250円前後、農水省市況ではモモが635円前後、ムネが270円前後と見込まれる。

〈畜産日報2020年6月4日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2020/06/2020-0604-1516-14.html
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