ハム・ソーセージ9社の営業利益が前年の大幅減から回復、売上高は0.5%増/2020年3月期決算


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今期は新型コロナでコンシューマ好調も業務用厳しく、概ね減収減益を予想

ハムソー・食肉関連各社の2020年3月期連結決算を見ると、対象企業9社(一部2月期決算)の売上高は前年同期比0.5%増、営業利益18.9%増、経常利益2.1%増、当期純利益は6.8%減となった。

微増収で、大幅減益を余儀なくされた前期から、わずかな増益となった。前期と同様に一部原材料価格の上昇、人件費、物流費の上昇、販売競争の激化、家畜の疾病と、厳しい経営環境となった。販売競争の激化では、より小規模のメーカーが影響を受け、とくにハムソー部門で規模による格差が開いた形になった。また、ここまで順調に拡大してきた調理加工品など加工食品部門の売上高は、業務用での競争激化、後半での新型コロナウイルス感染症の影響で伸び率は頭打ちとなった。

今期については、現状の新型コロナウイルス感染症の影響から、足元ではコンシューマ商品が好調だが、業務用が極めて厳しい状況であることから、多くの企業で減収減益を予想している。また、新型コロナでは、海外産地での影響もあり調達価格の上昇も懸念される。

ハムソー・食肉関連9社の売上高は3兆5,498億円(1,000万円以下切り捨て、以下同じ)で0.5%増の微増収だった。うち増収が6社、減収は3社だった。今回はハムソー、加工食品、食肉ともわずかな増収となった。

9社の営業利益は18.9%増の945億円だった。前期の大幅減益から回復した。経常利益は2.1%増、当期純利益は6.8%減だった。増益は、ハムソーでの主要ブランドの拡販による利益率改善、機械化・省人化などが奏功した。結果、営業利益率は2.65%と前期の2.24%から、わずかに改善した。なお、日本ハムは選択定年制度の関係で特別加算金を計上し経常利益などで減益となった。

部門別の動向をみると、ハムソー売上(部門別売上を公表する6社対象)は5,045億円で1.0%増加した。ハムソー生産量が増加傾向にあるなかで、上位3社が売上げを伸ばした。ただ、前述のように企業間の競争が激化し、大手メーカーと中堅メーカーで明暗を分けた。

加工食品売上(6社対象)は6,948億円で1.0%増加した。2社減収も、5社が増収となった。18年3月期に8.0%増、前期も3.8%増と、ある意味でハムソーメーカーの売上げをけん引してきたが、今回、伸び率は頭打ちとなった。コンシューマ商品は好調も、総菜・中食チェーン向けなど業務用が苦戦した。

食肉売上(7社対象)は1兆7,579億円で0.2%増加した。3社が増収、4社が減収となった。輸入豚肉の販売が好調も、輸入牛肉の調達コストが上昇し取扱量が減少、同時に相対的に高値の国産牛肉も取扱量が減少、国産鶏肉も相場下落で苦戦した。

今期は新型コロナの影響で苦戦が見込まれるが、日本ハムの畑佳秀社長は、「事業利益は前期比で約98億円減としているが、中計に一歩でも近づける。加工事業本部はブランド戦略を進化させる。また、乳製品、水産、エキス、食肉一次加工品を事業本部の傘下に組み入れており、相乗効果を最大化したい。食肉事業本部は多様な調達、生産体制を持つ。需要の変化に機敏に対応したチャネル戦略や商品戦略、ブランド戦略を展開したい」と対応方針を述べた。

伊藤ハム米久ホールディングスの宮下功社長は、「景気や消費者の行動意欲・消費行動の変化に適切に対応することで、販売チャネルや商品別の販売動向など、チャンスを逃がさないように対応していくことで、業績の上積みをさせていく」と述べた。そのうえで、和牛・国産牛対策として「厳しい状況は当面続くが、相場が安くなったことで、和牛を使った商品開発を指示している。内臓系を使ったおつまみなども考えてみたい」と事例を挙げた。

〈畜産日報2020年5月27日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2020/05/2020-0527-1623-16.html
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