ひかり味噌 「無添加円熟こうじみそ」増産傾向、春雨スープもほぼ全品出荷調整/林善博社長インタビュー


ひかり味噌・林社長

ひかり味噌・林社長

新型コロナウイルスが猛威を奮っている影響で、商品の販売動向にも影響が出始めている。国内外とも、小売り品は増産傾向で、フル稼働で対応しているが、外食向けなどの業務用は店の休業が相次いでいる影響で、大幅な落ち込みを避けられない状況であることから、ひかり味噌の林善博社長にこれまでの半期とこれからの半期の見通しについて話を伺った。

──新型コロナウイルス(以下新型コロナ)による影響について

仕入れ関係に対する影響は軽微だと思っている。一部中国からの大豆や春雨などの加工品が、春節明けで労働力が確保できない状態にあり、中国の工場の稼働率が初動は低かった。2割、3割と徐々に上がってきて、ようやく現在(4月8日時点)は平常に戻った。しかし、各国からの発注が重なり、一部原料などの調達における遅延が発生したが、当社工場では生産調整をしなければいけないような入荷遅れは生じていない。ただ、要注意であることに変わりはない。

生産面では、キャパいっぱいで動いている。新型コロナ対策では、工場で働いている社員全員に体温を報告させ、細かく管理規定を作り運用している。

仕入れの商談は全面的にストップしている。そこの部分では影響は出ていない。メールや電話、ビデオ会議などで対応する事ができている。

販売面では、総じて小売り品はまずまず。みそと加工品の一部で出荷調整している。主力商品である「無添加円熟こうじみそ」は有機大豆を使用していることから、製造にある程度の時間を要する。

ひかり味噌「無添加 円熟こうじみそ」

ひかり味噌「無添加 円熟こうじみそ」

 
注文が増えたからといっても、急に原料の手配は変更できない。しかも、仕込んでから熟成期間がかかる。みそのカテゴリーは全体的に新型コロナの影響で販売は増えていると思う。
 
徳用の春雨スープも販売が伸びている。値頃感があり、備蓄目的にも耐えられる。8食、10食、12食のほぼ全品に出荷調整をかけている。
 
国の緊急事態宣言がどう影響するか。われわれも全力は尽くすが、2週間くらいはタイトな製造を強いられるだろう。「無添加円熟こうじみそ」ではフル稼働で生産している。6月まではハイペースでの生産を続ける計画だ。
 
海外も小売り品は伸びている。日本の生産ペースで5月分までは、かなりのハイペースで受注が進んでいる。米国や欧州で顕著だ。日系スーパーだけではなく、ローカルのスーパーでも発注は増加している。明らかに、外食はやめて、家で食べるというトレンドが明確に出ている。
 
どこの地域も、小売り品の販売比率が高い所は影響は少ない。業務用の比率が高い所はマイナスの影響が大きい状況だ。
 

全体で4%増、家庭用好調、業務量は苦戦、即席みそ汁、PB商品は伸長〉
──20年10月期上期(19年10月〜20年3月)の業績動向について
 
全体で4%増の増収傾向で推移している。家庭用は前年を上回り、業務用は苦戦している。
 
即席みそ汁は2月、3月と急に節約モードが広がってきて、PB商品も伸びていることから増収傾向だ。賞味期限の長い商品が求められることから、生みそタイプではなく、フリーズドライの方が需要は高い。
 
生みそのトレンドでは、減塩が落ち着いてきた。「無添加円熟こうじみそ」では減塩よりも、通常品の方が生産調整に入っている。
 
70期の今期は、「量から質へ」というスローガンを掲げているので、売価を下げて、大量生産するという考えはない。いかに付加価値をつけて販売していくかにこだわって、みその販売に取り組んでいる。
 
──オーガニックみその販売動向について
 
販売の調子がいい地域は米国で、カナダ、英国、オランダなども活況を呈している。
 
国内では金額ベースで5%増、海外が10%増で推移している。国内は販促を入れて伸ばしていくが、有機の市場は限定的であり、購買力が弱いのは事実だ。新型コロナの影響で、購買力が落ちてくると、高い成長は期待できない。そういった中で、商品を拡充しても仕方がない。「こだわってます」に続いて、「麹の花」を発売したが、今後はこれらの育成に努める。また、PBの需要も出てくると思っている。新型コロナの影響で、安心安全が求められ、その最たるものであるPBの需要が高まってくるはず。かつてPB商品を撤退した企業からも、もう一度、PBの商品開発を進めたいという話もきている。
 
海外では、有機みそをフルラインアップでそろえているところが、当社の強み。有機の液状みそも伸びて来ており、生みそタイプの即席みそ汁も、現地スーパーに入り始めている。
 
海外での強みはほかにもあり、食品安全規格のBRC認証を取得していること。現地スーパーでの商談では、このBRC認証のおかげで受注できているケースも多い。
 

オーツミート関連商品は将来的に日本での生産に切り替える〉
──プラントベース商品の販売動向について
 
ハーキス「野菜そぼろ」シリーズは魅力的な売価をつける事ができなくて伸び悩んでいる。フィンランドでは食肉の隣に、ハーキスの商品が並んでいる。だが、日本では品質を担保するために冷凍食品として販売している。
 
今春の新製品ではオーツミートのカップスープを投入した。これは、ドライでインスタントでカップというハーキストとは特徴の異なる商品だ。現在は新型コロナの影響で、既存品の物量が急に増えてしまっているので、新商品の発売が遅れ気味となっているが、流通からの評判はいいので、非常に期待している。

ひかり味噌「オーツミートと野菜のスープ オニオンコンソメ」

ひかり味噌「オーツミートと野菜のスープ オニオンコンソメ」

 
今後はフレーバーのバリエーションも増やしていくが、オーツミートそのものは乾燥具材なので、スープに限らず、別の商品としての開発にも取り組んでいきたい。ゆくゆくは製品輸入ではなく、現地生産に切り替えていかないと本来の事業にはならないと思っている。
 
〈大豆油糧日報2020年4月20日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/soy/2020/04/2020-0420-1050-16.html
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