
とくに本紙(畜産日報)関連の東京食肉市場は、畜産物の供給面だけでなく、畜産物取引の価格形成機能を有しているだけに、ウイルスの感染などで市場業務が停滞しないよう、セリ場における購買者の席の間隔を空けるほか、職員に感染者が出た場合など緊急時の編成など、万が一の事態に備え、関係業界と一体となって対応していく方針だ。
都中央卸売市場によると、食肉市場ではHACCPの考え方に基づいた高度な衛生管理体制が敷かれており、加えて新型コロナ問題を踏まえ、感染防止のため改めて職員や関係事業者へマスク着用や手指のアルコール消毒の徹底を呼び掛けている。
さらに今回、小動物のセリ場では、購買者同士の密接を避けるため、1席ずつ間隔を空けて座るようにしている。2月には業種別に新型コロナ対策に関する説明会を開いて、従業員の健康管理の徹底や緊急融資制度などの周知に努めたところだ。
万が一場内職員に感染者が出た場合にも、各作業ラインのフォーメーションを見直すことなどにより、可能な限り稼働率を維持していく方針だ。とりわけ食肉市場は、生体の取扱いからと畜・加工処理に至る各工程で専門的な技術が求められるため、限られた人員のなかでも市場業務が継続できるよう、都および市場会社、関係団体・企業と連携して対応していくという。
東京都中央卸売市場食肉市場管理課の速水淳一課長は「中核市場である東京食肉市場は食肉供給や価格形成機能など重要な役割を担っている。とくに東京市場の相場は、全国の食肉取引にも影響するため責任は大きい。新型コロナによって畜産物流通が混乱しないよう、業界一丸となって市場機能を維持していく」と説明している。
〈畜産日報2020年4月9日付〉
記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2020/04/2020-0409-1524-14.html
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