〈大豆ミートビジネス最前線〉森永製菓、玄米入りで大豆臭を軽減した「ゼンミート」展開、業務用に注力へ


「ゼンミート ミンチタイプ」と、それを使用した「油淋鶏」

森永製菓「ゼンミート ミンチタイプ」と、それを使用した「油淋鶏」

森永製菓のコーポレートベンチャーとして大豆ミートの事業創造を行ってきたSEETHESUNは4月から、「ZENMEAT(ゼンミート)」ブランドを始めとするプラントベースフード事業を潤沢な経営リソースがある本体の森永製菓に移管した。事業担当者に同社の強みを聞いた。

SEETHESUNは森永製菓の孫会社として2017年4月に創業し、家庭用と業務用で、3タイプの玄米入りの大豆ミートや、それらを使ったレトルトのカレーやパスタソースなどを展開してきた。

元々はアレルギー対応やグルテンフリー、オーガニックなど、食に制限のある人もそうでない人も、同じテーブルにつけるような商品開発を目指していたが、市場拡大の可能性からプラントベースフードに注力することになったという。森永製菓は、家庭用の研究開発とマーケティングを継続するが一旦休売し、当面は「一定の道筋を残せた」と手応えを得ている業務用に注力していく。

国内の食品市場は人口減で縮小する中、「植物性市場は右肩上がりの稀有な市場で拡大の可能性がある」と期待する。ただ、SEETHESUNが約300店舗まで採用を広げた小売ルートについては、「市場創造段階で、まだまだ食文化の定着までは時間を要する」と冷静に分析する。

限られたリソースを分散するのではなく、インバウンド中心に宿泊施設や飲食店などでヴィーガン、ベジタリアンニーズが顕在化している、業務用ルートに注力することを選択した。「後ろ向きな休止ではなく、戦略的な移管を行う」と強調する。業務用はこれまで、宿泊施設やカフェ、レストランなどを中心に、約70店舗に導入しており、現在も拡大中だ。

玄米入りの大豆ミートとして、「ゼンミート ミンチタイプ」、「ゼンミート ブロックタイプ」、「ゼンミート スライスタイプ」をそろえる。販売比率は概ねミンチ6、ブロック2、スライス2で、特にミンチが好評だという。

玄米入りの理由については、玄米の香ばしさによって大豆ミートの大豆特有の臭いを軽減するためとしている。「玄米の香ばしさによるマスキングに加えて、肉らしい食感が強いことも評価される」と胸を張る。

レトルトは香料と動物性原料不使用、菓子メーカー出自でおいしいのは当たり前の発想

レトルトでは、ミンチタイプを用いた「キーマカレー」と「ボロネーゼソース」、ブロックタイプを用いた「欧風カレー」などの常温商品をラインアップしている。また、和のメニューを作れる「肉味噌」も冷凍で販売しており、インバウンドで一定のヴィーガン×和食のニーズがあることから支持されている。これらはいずれも動物性原料を不使用のため、ヴィーガン、ベジタリアン対応も可能だ。また香料を使わないこだわりも見せる。

レトルト「キーマカレー」(調理例)

レトルト「キーマカレー」(調理例)

「国内も海外もプラントベースフードを好まれる人はナチュラル志向の人が多い。間口を広げるためと、独自のこだわりを出すために使用していない。低脂質なので、ヘルシーメニューとしてアレンジすることもできる」と訴求する。
 
動物性原料を使わないと、コクとうま味が落ちてしまうが、野菜や根菜やキノコ類などのうま味をひたすら煮詰めて引き出し、植物性食材のうま味でカバーしているという。「そのうま味の出し方がノウハウで、普通のキーマカレーとしてヴィーガンメニューで提供し、ヴィーガンではない人にも当たり前においしい商品を目指している」と述べる。
 
商品づくりにおいてはSEETHESUNの時代から、「おいしいこと」が大前提だったという。「菓子メーカーが出自なので、おいしいのは当たり前で、それに対して付加価値を出していく発想だ。ヴィーガン、ベジタリアン以外の人も取り込めるように、低脂質や香料不使用などの付加価値で細かいニーズに応える」としている。
 
〈大豆油糧日報2020年4月3日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/soy/2020/04/2020-0403-1603-15.html
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