〈ヤヨイサンフーズ営業最前線〉テーマは「お客様から支持されるメーカーに」


取締役営業本部担当役員・川村匡介氏

取締役営業本部担当役員・川村匡介氏

業務用冷凍食品メーカー大手のヤヨイサンフーズの川村匡介取締役営業本部担当役員は、2020年度(2021年3月期)の営業本部として「お客様から支持されるメーカーになる」ことをテーマに掲げ、さまざまな活動を推進するという。本稿では、同社営業部門の現在を探るべく、2019年4月1日付で顧問、6月に現職に就任した川村取締役に営業本部の方針を聞くとともに、森匠九州支店長に九州支店の今と今後の方針などについて話を聞いた。また、同社が高まる健康志向に配慮した商品として、昨秋よりいち早く展開している「イートベジ」シリーズについて、豊島麻紀子商品企画課長に方向性を聞いた。

――2020年度の営業本部方針

営業本部方針の大きなテーマとして、「お客様から支持されるメーカーになる」ということを挙げたい。そのためには、お客様目線に立った提案営業が非常に重要になる。単に自社商品を売り込むだけではなく、お客様が求めるニーズ、お悩みごとを的確に把握し、それに対して商品・提案でサポートすることを重視する。その積み重ねがあって初めて、お客様から支持されるメーカーになれると考えており、それを実現するための強い営業軍団の構築を目指したい。

具体的な営業施策として、1点目は主力商品に集中した商品販売だ。強い商品に磨きをかけ、より愛していただくため選択と集中を行い、特に重点商品のメンチカツ、ハンバーグ、グラタン、また2019年度苦戦気味だったポテトコロッケ・クリームコロッケに注力したい。これにより、生産工場の稼働率を高め、収益性を高めることも目指す。

2点目は新規カテゴリー商品の販売強化だ。まず1つは健康訴求商品だが、特に人生100年時代となる中で、健康のみならず、おいしさも付け加えた商品を出していきたい。その第1弾として昨秋より展開する「イートベジ」シリーズがあり、今春も商品を拡充した。これらが点から面になるようご提案するとともに、お客様の売場活性化に繋げていきたい。

もう1つはお客様が苦労している人手不足対応の部分で、時短・簡便商品を積極的に商品投入するとともに、販売を強化していきたい。

3点目は満足度の高いこだわり・プレミアム商品提案を強化し、「ヤヨイサンフーズの商品はやっぱりおいしい」と思っていただけるようにしていきたい。

気仙沼工場11月稼働に向けた販売強化も

最後に大きな柱として、11月の稼働を予定している気仙沼工場(3月4日時点で外壁工事が完了)の商品も販売強化する。具体的には、煮魚・焼魚の販路拡大、水産カツの徹底販売、介護食「ソフリ」ブランド商品の新規顧客獲得と積極的販売にしっかりと取り組んでいきたい。既に気仙沼工場を意識した商品の商談は開始しており、定番アイテムをしっかり作り、当初から高い稼働となるよう目指している。

そして、強い営業軍団を作る上では、提案営業に繋がる人材育成も強化していく。19年度から外部の営業研修を実施しており、これをさらに強化する。社内的には、競争意識を持って社外とも戦える営業軍団を育てるべく業績順位制を導入し、トップを目指す切磋琢磨の中で全体のレベル上昇に繋げてもらう。

11月の稼働を予定している気仙沼工場建設地

11月の稼働を予定している気仙沼工場建設地

そして、強い営業軍団を作る上では、提案営業に繋がる人材育成も強化していく。19年度から外部の営業研修を実施しており、これをさらに強化する。社内的には、競争意識を持って社外とも戦える営業軍団を育てるべく業績順位制を導入し、トップを目指す切磋琢磨の中で全体のレベル上昇に繋げてもらう。
 
さらに、お客様あってのメーカーであり、お客様との共同販促によるプロモーション提案なども頻度を増やして実施していきたい。
 
中長期的にも20年度の「お客様に支持されるメーカーになる」という方向性を真に実現するため、やるべきことを丁寧に、粘り強く、スピーディーに、そして大事にしたい点として貪欲にチャレンジしていく。お客様の信頼を1つひとつ積み上げ、本当にお客様から支持される次のステップとして、頼られるメーカーに進化していきたい。
 

山積する課題には製・配・販一致団結で取り組みを

――気仙沼工場今秋稼働に向けて
 
2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた気仙沼工場が、今年11月に新工場として蘇ることになる。全社員の悲願であり、地元の宮城県、気仙沼市の絶大な後押しもあってようやくここまで漕ぎ着けることができた。改めて関係各位には感謝を申し上げたい。 今春発売したこだわり衣の「ザクうま揚げ」シリーズといった水産原料を使用した商品は気仙沼工場をイメージしたものであり、水産原料商品をどんどん投入していきたい。また、エビカツなどの水産カツラインでは、生タイプのパテに衣付けできるようになり、新たな商品が作れるようになる。介護食「ソフリ」は素材ムースを九州工場から移行し、連続式生産により生産効率・能力も向上することになる。また、現在気仙沼松川工場で生産している煮魚を移行させるとともに、焼魚の生産も可能になる。
 
気仙沼工場の稼働を早期に売上拡大に繋げるためにも、お客様への商品のご案内を強めるとともに、実際に工場を見ていただき、ご理解いただいた上で商品をお取り扱いいただけるよう、積極的にアプローチをしていきたい。
 
――19年度のここまでの業績
 
4~2月までの業績は、中食は惣菜が101%と堅調だが、CVS・宅配が苦戦し、トータルでは95%と苦戦気味だった。外食は全般的に好調で108%、給食は施設病院給食が好調でトータルで103%と堅調だった。
 
ただ、直近の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい環境だ。政府の休校要請で学校給食が減少したほか、ひなまつりなどの行事食が止まった影響は大きい。
 
カテゴリー別では、ハンバーグ、メンチカツ、グラタン・ドリアは競争激化もあり前年を若干下回っている。一方、デザート、丼の具、煮魚、ハムカツなどは新規得意先獲得などもあり大きく伸びた。ただ、主力カテゴリーの1つでもあるポテトコロッケ・クリームコロッケが苦戦気味で、お客様のニーズ対応・競合他社との競争も含めて立て直しが急務だと考えている。
 
介護食の「ソフリ」は年々伸長し110%で来ているが需要は高まる市場である。今後もしっかりアイテム数を揃え、より拡大できるよう取り組みを強化したい。
 
――ヤヨイサンフーズの印象
 
私がヤヨイサンフーズに着任し、約1年間が経過した(前任はマルハニチロ関東支社長)。着任以前より質・レベルともに商品力が高いメーカーだと思って見てきており、主力のメンチカツ、コロッケ類、ハムカツ、グラタン・ドリア等では業界のシェアも高く、安全安心、そして食品メーカーとして重要なおいしさにおいても、完成度を高める仕組みを追求しているという印象を持っていたが、まさにその通りのメーカーだと感じている。 また、黒本聡社長をトップに社員一人ひとりが理念・方針に沿ってまじめに、着実に業務に取り組んでいる姿勢が伺え、まとまりのある集団だと好感を持っている。 そして、全工場でISO14001環境マネジメントシステムの認証取得、非木材紙を活用したエコ容器使用、カンボジアヤヨイ学校の支援、三國清三シェフの一般社団法人国際食文化交流協会との協働による食育授業、KIDS-シェフの長年にわたる実施と、CSR・社会貢献面でも素晴らしい取り組みを進めていると感じている。
 
――業界への提言を
 
社会では人口減、少子高齢化に伴う人手不足が深刻化し、働き方改革もあってさまざまな課題が山積する中で、難問を乗り越えるには行政、メーカー、卸様、ユーザー様など一致団結して取り組むことが重要だ。特に情報共有化、新たな仕組みづくりを業界が一緒になって果敢にチャレンジしていくことが必要だ。市場の変化に対応できる解決策を皆で見出し、共有・具現化していければ、業界はさらに発展させることができる。そういう意味でも、皆で頑張っていければ良いと考えている。
 
〈冷食日報2020年4月1日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/frozen/2020/04/2020-0401-1539-15.html
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