〈2020年の春の冷食新商品・家庭用〉新型コロナで環境急変、戦略見直し迫られる可能性も


各冷凍食品メーカーの新商品

各冷凍食品メーカーの新商品

2020年春季に有力メーカー13社から発売された業務用冷食新商品は合計169品、リニューアル品は114品だった。今春の新商品でも、簡便調理やインバウンドに向けて独自の付加価値を訴求する商品が豊富に出そろった。しかし2月から3月にかけて新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、需要環境は急変している。春夏向け新商品の発表時点には想定していない環境変化から、メーカー各社も今後、戦略の見直しを迫られる可能性がある。

業務用冷凍食品は2019年10月の消費税率引き上げを前に2019年3~4月にかけて多くのメーカーが製品値上げを実施したが、今期第3四半期(4~12月)の各社の実績は堅調に推移した。

業務用冷食市場は外食や中食、給食の調理現場における人手不足が引き続き深刻であることから、オペレーション負担軽減のために、自然解凍の調理品やカット済みの素材品の需要が伸びている。またホテル業態の好調な稼働から、朝食ビュッフェ向けの商品も堅調に推移していた。堅調な市場に加え、東京五輪開催によるインバウンドの拡大を見据え、今春の新商品において各社踏み込んだ提案も目立った。

業界トップのニチレイフーズは冷凍野菜を中心にした、簡便でロスの出ないキット惣菜「Vegedelica(ベジデリカ)」を新提案した。日本水産とマルハニチロはともに原料調達に強みがある水産系の新商材で差別化を図っているのが注目だ。

味の素冷凍食品はホテルビュッフェの需要が高いケーキ類を拡充。新たにベジタリアン向け惣菜のシリーズ展開も始めた。テーブルマークもケーキ類や焼成冷凍パンを拡充。日東ベストもビュッフェメニューを拡充しているところだ。

インバウンド需要を狙った分野は、今まさに不透明な先行きに直面している。一方で量販店惣菜においても、バイキング形式の販売が自粛されるなど末端の変化が起きている。先行き不透明な社会経済環境から、逆風の業務用市場に立ち向かう戦略が求められている。

〈冷食日報2020年3月25日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/frozen/2020/03/2020-0325-1150-15.html
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