シダックス栄養士会 第29回全国総会、迎会長「栄養士を孤立させず、みんなの“こうしたい”を実現する栄養士会へ」


シダックス栄養士会スタッフと志太勤一栄養士会名誉会長(中央)

シダックス栄養士会スタッフと志太勤一栄養士会名誉会長(中央)

総合サービス企業シダックスグループには、栄養士が自主的に運営する「シダックス栄養士会」という組織があり、全国の各事業所で活躍する栄養士・管理栄養士が知見を共有して、課題解決に向けて切磋琢磨している。2月15日に中伊豆ワイナリー シャトーT.S(静岡県・伊豆)で開催された第29回全国総会では、1年間の集大成として各支店・部会のリーダーを中心に栄養士の業務を通じた研究成果や活動報告が行われた。メイン会場の伊豆だけでなく、全国7カ所のサテライト会場(札幌、岩手、仙台、東京、広島、福岡、鹿児島)で同時中継され、栄養士会に所属する約2700名のうち300名の栄養士・管理栄養士が参加、資質向上の機会とした。

やりがいと自信を持った栄養士の育成を目指して

シダックスグループは保育園・幼稚園・学校・企業・病院・介護施設・外食・アスリート施設など様々な世代のライフステージで食事の提供を行っており、社内にいながら多岐にわたる栄養業務を経験することができる。

総会で披露された研究活動報告のテーマを見てもそれは明らかで、園児に苦手な野菜を食べさせる方法や高校生を対象にした食生活改善、社員食堂における「健康な食事・食環境認証制度」(スマートミール)認証取得、高齢者の低栄養予防策など、多岐にわたる世代の栄養・健康課題に対応している。

「ここ数年、人気の発表テーマは食育。今回も半分が食育だった。当社には母親のような気持ちでお客様に接するという“マザーフード”の理念が会社に浸透しているからかもしれない。その他、栄養士としてタイムリーな話題であるスマートミール、社会人としてこれからの課題であるSDGs、社会的な動向を踏まえて栄養士として何をすれば良いかという新しいテーマも入っている」。

そう最近の活動のトレンドを話すのが、栄養士会会長を務める迎英子さんだ。「栄養士は学び続けなければ、社会に通用する人材になることは難しい。自主的に学べる場所を持ち、お互いに切磋琢磨することを活動の重きに置いている。栄養士同士で刺激し合い皆でスキルアップを図る。1人が行けるセミナーは限られているが、栄養士会で互いにシェアすれば10人分学ぶことができる」と活動意義を語る。

シダックス栄養士会会長・迎英子さん

シダックス栄養士会会長・迎英子さん

研究テーマは、これを研究しなくてはいけない、という制限はなく、自分で決められるという。「テーマを縛ってしまうと自分で考えることができなくなる。普段の仕事の中で、こうなるといいな~という思いからテーマを選ぶ。先輩の栄養士会のメンバーもこうしなさい、とは言わない。こういう方法はどうか、と相談に乗り、サポートを行っている。栄養士一人ひとりの自主性を尊重することで、やりがいと自信を持った栄養士の育成につなげたい」。
 

栄養士の結束強化と離職防止も

迎会長によると、栄養士会は栄養士の知識、専門性の向上だけでなく、栄養士同士の結束と離職防止にも取り組む。孤立して辞めてしまう栄養士を救うため、親カンガルーと子カンガルーという位置づけで、先輩栄養士と後輩栄養士を縁組させて面倒をみる“カンガルー制度”という仕組みを全国で導入している。
 
「事業所に配属されると孤立することがあり、自分がやっていることが正しいのか、悩みがあったときに誰に相談すればよいのかが分からなくなる。これは、どの会社でも起こる問題だが、仕組みがあり、相談できる相手がいるのといないのでは違う。先輩社員も仕組みがあることで話しやすくなる。地域によって、親子縁組がどうしてもできない場所では、栄養士会SNSを使いチャットでやりとりしている。少し上の先輩が1年目の栄養士の話をちゃんと聞いてあげることで、1人でも2人でも、そういう栄養士を救いたい」。
 

若手栄養士が語る栄養士会の特徴

第29回全国総会では、若手の栄養士も多く参加し、活躍した。管理栄養士の宮谷瑞穂さんは入社8年目。北関東支店を代表して、事業所給食における健康フェアメニュー販売促進方法について発表した。
 
宮谷さんは「発表するまでの研究で様々な方に協力いただき、準備期間が大変だった。発表は緊張したが、やってきたことを発表できてよかった」とコメント。「現場で仕事をしていると、他店舗(※事業所で統一の場合は「他事業所」で)の栄養士の方と関わる機会がほとんどないため、社内に栄養士会があってとても心強かった。栄養士同士、悩みを共有して相談できて、他店舗(※事業所で統一の場合は「他事業所」で)の取組事例も知ることができる。先輩と関わり、コミュニケーションの方法も学べた。今日も、以前の現場でお世話になった先輩方に会えてよかった。少し成長した姿を見せられて嬉しい」と喜びを語った。
 
また、栄養士の輿水直人さんは入社3年目で初めて栄養士会総会に参加した。西関東支店を代表して、従業員の健康維持・増進を目指して、栄養士だからこそできる食事・運動を支援する健康プログラム等を、動画を使って分かりやすく説明した。「支店のメンバーが付き合ってくれて何度も練習したから緊張することなく発表できた。栄養士会には大きな学びがあるので、自分だけでなく職場の皆にいつもシェアしている。食品メーカーの方を招いて講習を受けることもあり、実際に使用している商品について詳しく聞けて良かった」と栄養士会のメリットを語る。
 
これから挑戦したいことを尋ねると、「仕事で身に付けた調理技術・知識を活かし、高齢者の食べる能力に対応した献立を作り、おいしさや作りやすさの観点から研究したい」と意欲を示した。
 
宮谷さんの発表は14の研究発表の中で、一等賞の金賞を獲得して、輿水さんの発表は栄養士会会長賞を受賞した。
 
迎会長は今後について、「社内に栄養士が自主的に学ぶ組織があり、それが会社の強みになっているのが当会の最大の特徴である。これからも、みんなの“こうしたい”という声をできるだけ拾って、それを実現する場所が栄養士会だと思っている。枠にとらわれない、新しいことに常にチャレンジする会を目指したい」と抱負を語った。
 
栄養士会名誉会長の志太勤一シダックス会長兼社長は総会の冒頭、「多忙な中、自己研鑽を怠らず、研究を進め、成果をまとめ上げた努力に深く感謝する」と努力をねぎらい「皆さんやその仲間たちが仕事にやりがいを持ち、働きやすい環境を作れるようどんどん改革を進めていきたい。しかし、1人ではなかなか組織の中で意見を述べて提案することは難しいだろう。シダックスの栄養士が強い信念を持ち、この栄養士会を通して集まり、問題意識を持って活動することで、より質の高い仕事と社会作りにつながる。人を財産とするオンリーワン企業への道を共に歩んでいきたい」と呼びかけた。
 
シダックス栄養士会はこれからも栄養士の業務を通じて研究活動を継続し、喫食者の安全・安心な食事サービスの向上につなげていく考えだ。

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/feeding/2020/03/2020-0317-1443-15.html
【提携サイト】食品産業新聞社ニュースWEB
食品産業新聞社

食品産業新聞社ニュースWEBは、1951年発の生産・加工・流通・消費を結ぶ専門新聞社の株式会社食品産業新聞社が運営しています。「食品産業新聞」と5つの業界専門日報(畜産・米麦・酒類飲料・冷食・大豆油糧)のほか、月刊誌、ニュースサイトを展開しているユニークな会社です。就活生の皆さまは、食品業界の理解を深めるうえでの情報サイトとしてご参考ください。食品産業のさらなる発展と、食品業界を志望する学生の皆様の充実した就職活動をご支援します。( 食品産業新聞社ウェブサイトURL:https://www.ssnp.co.jp