2020年度畜産物価格決定に向けた議論を開始、12月11日の決定めざす/自民党 畜産・酪農対策委員会


畜産日報 2019年12月6日付

畜産日報 2019年12月6日付

家族経営の経営基盤維持・拡大、畜産環境対策の強化など要望相次ぐ

自民党の畜産・酪農対策委員会(赤澤亮正委員長)は12月4日夕方、自民党本部で会合を開き、2020年度畜産物価格・関連対策の議論をスタートさせた。今週末から来週にかけて現地視察と会合を重ね、11日に決定する方向だ。

19年度畜産物価格の議論では、57年続いた畜産物(牛・豚)の価格安定制度が終了、肉用子牛生産者補給金制度の保証基準価格・合理化目標価格も新たな算定方式に基づいて決定されるなど、大きな変革があった。20年度については、日米貿易協定の発効などいっそうの国際化が進展するなか、国内生産基盤を維持するため中小の家族経営の経営基盤の維持・拡大のための支援策の拡充が焦点のひとつといえる。畜産クラスター事業の規模拡大要件の緩和や、99年の家畜排せつ物法施行から20年が経ち老朽化した処理施設の補修・改修への支援策の拡充を求める声も多い。

この日の会合は、例年通り、農水省からの畜産・酪農をめぐる情勢の報告と団体要請を踏まえたうえで意見を交わした。団体要請のうち、全国農業協同組合中央会からは、中小の家族経営について、規模拡大に関わらず、継承施設などの補改修、サポート体制の整備、継承者に円滑な資金繰りに対する支援拡充を求めた。畜産クラスター事業に向けは、規模拡大要件の緩和とともに、施設整備の基金化など予算執行の柔軟性をはかることを要請した。全国肉牛事業協同組合は、繁殖基盤強化に向けた対策の拡充や和牛遺伝資源の適切な流通・管理に対する支援の実施などを、日本養豚協会は中小規模の養豚農家が防疫レベルを向上させ、経営体質の強化につながる支援策を要請した。

議員からは、家畜排せつ物処理について葉梨康弘氏(衆、茨城3区)は、20年度概算要求のなかに、畜産環境対策の高度化(耕種農家の土づくりに資する家畜堆肥の生産や、悪臭・水質問題に対応した高度な家畜排せつ物処理への支援など)に向けて予算を盛り込んだことに触れ、十分な予算額と使い勝手の良い支援措置になるよう、農水省に求めた。古川康氏(衆、佐賀県2区)は「規模を大きくするだけでなく、経営を続けることも重要だ」と中小の家族経営の支援策の拡充を指摘した。

また、小野寺五典氏(衆、宮城6区)は、肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)について「素牛高で肥育経営が大変な状況にあるなか、各県の交付金の交付状況を見ると、交付後の損益がマイナスとなっている地域が過半数を占めている。実際に交付金が下りても赤字という県が主産地を含めて多いということは、何か基本的に確りしなければならないのでは」(=図参照、農水省提出資料より)と制度への検証の必要性を指摘した。小野寺氏の指摘について農水省の渡邉毅畜産部長は、「おそらく、素牛価格が高騰した時に導入した牛が出荷されているのが(赤字の)原因とみられる。今後、原因をよく分析し、対応策も検討したい」と説明した。

今後、同委員会は7~8日に現地視察を行い、9日に次回会合で論点を深めていく予定。

〈畜産日報 2019年12月6日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2019/12/2019-1206-1244-14.html
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