日本ハム 全国約120営業所を活用、サービスを選択肢に 自社インテテグレーション商品「大麦牛」などアンガス3品に注力


日本ハム 大麦牛

日本ハムは、今期、全国約120か所のフード会社営業所を活用し、商品の価値、価格だけではなくサービスを選択肢の一つとして打ち出していく。さらに一番の販売戦略に、安定供給へパッカーとのパートナーシップの強化を挙げる。その中で自社のインテグレーション商品である豪州産「大麦牛」、さらに「アンガスバレー」「ブラックスター」と、アンガスで統一したブランド3品に注力する。日本ハム食肉事業本部輸入食肉事業部チルドビーフ部の脇田暁夫部長、フローズンビーフ部の福島威士部長代行に、今期の方針やブランド対応を聞いた。
左=フローズンビーフ部 福島部長代行、右=チルドビーフ部 脇田部長

左=フローズンビーフ部 福島部長代行、右=チルドビーフ部 脇田部長

――前期の状況は。
 
チルドビーフは、上期に苦戦も下期で巻き返し前年並みでの着地となった。上期は、全体の輸入量が多く高値で推移したこともあって販売に苦戦した。フローズンビーフは、相場が年間を通して想定より高かったものの、輸入量が多かった。販売は底堅いものがあり、ハンバーグチェーン、ステーキレストランなど外食業界が好調で需要が安定していた。その結果、前期を上回る着地となった。
 
――今期の見通しと方針は。
 
中国でのアフリカ豚コレラの発生・拡大により豚肉だけでなく、鶏肉・牛肉ともに世界の需給バランスが急激に変化している。牛肉に関しては、中国がホルモンフリーの牛肉を国際市場で高い価値をつけて調達しており、豪州国内でもホルモンフリー牛肉のシェアが上昇している。その結果、豪州産牛肉全体の価格も高値で取引されており、調達環境が厳しくなっている。
 
チルドビーフでは、販売チャネルは量販店がメインである。また外食分野は、まだまだ日本ハムとして伸ばすチャンスがあると考えており、注力する。そのためにブランド戦略を進めていく。そこで重要なことは、他社にない約120か所ある全国のフード会社営業所をしっかり活用していくこと。国産が総じて高い中で、輸入牛肉の価値をしっかり訴求できる展開をしていく。物流面での課題や人手不足の中で単に商品の価値、価格だけではなく、サービスを選択肢の一つとして押し出していく。また新しい取り組みとして、ウルグアイや米国産カウへの取り組みも行っていく。
 
大切なことは、パッカーから安定して買い、安定的に販売することだと考えている。
 
フローズンではカナダの優位性や米国TAGを見据えて北米産牛肉の拡大に期待している。またここ数年はアジア圏の経済発展が見込まれ、日本人の好むプレートやトリミングの市場が国際マーケットで拡大していることから、引き続き調達しにくい環境が続くので各国のパッカーとしっかりパートナーシップの構築を行い、安定調達・安定供給に努める。
 
チルドは、豪州の不安定な生産環境の中、フィードロットを持ち、自社工場も持っているというインテグレーションの強みを「安定供給」というサービスで提供できるという意味でも価値向上に努める。さらに生産環境の安定した米国産を中心として拡大に努め、カナダをプラスαとして取り扱っていくことになると思う。ウルグアイ産については、外食を中心に価値をしっかり理解して使っていただけるお客様へ案内していく。
 
――新規供給国への対応は。
 
輸入牛肉については、TPP11、ウルグアイ産牛肉の輸出入解禁、米国における月齢制限の撤廃など緩和の方向にあり、少しずつ市場が広がりやすい環境になっている。
 
ウルグアイ産は、問い合わせが増えている。グラスフェッドでありながら臭みがなく、量が食べられる、美味しいとプラスの評価を得ている。当社は、日本資本で唯一現地パッカー(BPU=ブリーダーズ&パッカーズ・ウルグアイ)を持つ会社である。現状ではまだまだ数量が限定されるが、将来的にはしっかり自社工場を活用していきたい。
 
月齢制限撤廃への対応では、チルドではロイン3品が考えられ、外食を中心に活用していく。また内臓は選択肢が増えたことになる。緩和の流れはいいニュースであり、しっかり活用したいし、それに対応できる体制を整えている。
 
――ブランド対応などは。

 
アンガスで統一したブランド3品豪州産「大麦牛」、米国産の「アンガスバレー」「ブラックスター」をしっかり売っていく。まず「大麦牛」は、昨年、アンガス限定にリニューアルした。昨年後半から、お客様がしっかり付き、今期も安定して価値を理解していただきながら販売ができている。自社のインテグレ―ション商品であり、引き続き力を入れる。また150日肥育にし、ミドル・アンガス縛りということで、指名買いしていただき、コモデティの価格競争に巻き込まれることはなくなった。外食チェーンでもメニューにブランド名を出していただく場面もあり、「大麦牛」リニューアルの効果が出ているのは間違いない。国産のホルスのカテゴリーが不足していくなか、それを補完する商品として販売していく。

「アンガスバレー」

「ブラックスター」

「アンガスバレー」は、タイソン社とのタイアップ商品でありアンガスとともに規格優位性を出した商品。お客様の手間を省き、歩留りロスをなくす。今の時流にマッチしている。
 
「ブラックスター」は、日本市場で最も米国産におけるシェアの高いパッカーであるナショナルビーフ社が日本向け専用でプログラムした唯一のPB商品。
 
一方で、チルド、フローズンを含め人手不足が深刻な中で、生産性の良さが求められる。
 
例えば、フローズンではショートプレートをもう一度日本向けに作り直す。しっかりお客様が使いやすい規格とする。現在、国内ではホルスが少ない中で、値ごろ感のある商材としてクロッドやモモ系を提案している。規格面で使いやすい「アンガスバレー」なら、ショートカット・クロッドをそのままスライサーに入れて使える。これらを含め、より値ごろ感のある提案も可能であり、チャンスはあると考えている。
 
【問合せ先】日本ハムチルドビーフ部(電話=東京 03-4555-8236、大阪 06-7178-2934)、フローズンビーフ部(電話=東京 03-4555-8238、大阪 06-7178-2936)
 
〈畜産日報 特別増刊号 第9号 2019Summer〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2019/08/2019-0830-1604-14.html
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