業界初 納豆の自動制御装置を開発、ボタン1つで製造可能に/鈴与工業


鈴木英之社長と鈴木大輔副社長

鈴木英之社長と鈴木大輔副社長

容器やたれなど副資材の提供や作り方の教育までをワンパッケージで提供

納豆プラントを製造・販売を行う鈴与工業(東京都板橋区)は、9割以上の納豆メーカーに採用実績を持ち、業界で確固たる地位を確立している。元々、酒類プラントのエンジニアリングでスタートしたバックグラウンドと、納豆の発酵技術を水平展開することで他カテゴリーにも進出しており、特に納豆並みの売上規模の豆腐プラントは、2つの特許技術が高評価で導入実績を伸ばしている。さらに最近では、はちみつや野菜ジュース、パン業界向けのプラントの引き合いも伸びている。この5年の売上高は毎年2ケタ増で成長しており、今期(8月期)の着地も2ケタ増となる見込みだ。

鈴与工業は1958年に創業した。鈴木英之社長と鈴木大輔副社長の兄弟は3代目となる。2人の祖父である創業者は、理化学研究所で日本酒醸造の研究を行っていたが、40代で同社を設立し、日本酒を醸造するプラント事業をスタートした。広島大学の醸造科出身で、醸造および食物発酵に関する知識を有していたことから、納豆の製造プラントも手掛け始める。それ以降、発酵、熟成、大豆を基軸に事業を発展させてきた。

鈴木副社長は、「日本酒の醸造プラントから始まっているので、プラント全体のエンジニアリングを得意としている。創業から数年後、日本で納豆屋が次々と立ち上がる状況の中で、当社のプラントエンジニアリングの技術が評価されることになる」と振り返る。

納豆の製造はそれまで、職人が時間をかけて発酵するしか方法がなかった。製造に3日間要するが、一番大変な工程は大豆を蒸す工程と発酵の工程になる。「当社の機械が納豆業界を席巻できた理由は、業界で初めてそれらの工程をオートマチックでコントロールできる自動制御装置を開発したことだ。それまでは、職人が夜も寝ずに温度や湿度を管理する必要があったが、ボタン1つで製造できる仕組みを作り上げたことで参入障壁を大きく下げた」と胸を張る。

また、80年代にダイエーやイトーヨーカドーといったコールドチェーンが広がるにつれて、工場では省力化が必要となっていく。そこで同社は、なるべく人手を介さず、少ない人数で大量の製品を製造できるファクトリーオートメーション(FA)を確立した。「コールドチェーンの発達により、全国に納豆を配送できるようになった。地元の人が食べる分だけでなく、全国を対象にした量を作る必要が生じたが、増産に対して雇用を増やす余裕はない。なるべく工場の敷地面積を広げずに、人員も増やさず、大量の納豆を作りたいというニーズから当社の技術が求められ、ユーザーと一緒に自動化の設備を作り上げた」と述べる。

また、同社は納豆の研究所を設けており、納豆に関する書籍も3冊発行するなど、納豆製造に関する知見も高い評価を得ている。商品の企画から、工場内の効率的な導線などの設計、機械の製造、テスト、保守に加えて、納豆の作り方の指導や工場運営について教育も行うことができるのも強みだ。さらに同社は、商品化に必要な副資材も含めて、ワンパッケージで提供することが可能だという。

鈴木社長は、「機械のほかに電気や水などの設備、容器やフィルム、たれ、からし、納豆菌などの副素材を提供し、新規参入を促進している。設備投資にはかつて3,000万円ほど必要だったが、現在は1,000万円を切るまでになった。昔のように工場を作る必要もなく、障害者施設ではキッチンで納豆を作っている」と語る。

一般的な納豆の製造設備には、冷凍庫に室外機や配管など、室内の付帯設備の整備が必要だが、同社の小型発酵装置はすべてオールインワンでパッケージングされており、業務用冷蔵庫サイズで移動も可能だ。短期間で手間なく納豆を作れることを訴求している。最近では、障害者施設や福祉施設、道の駅などから頻繁に引き合いがあるといい、「今後は行政の産業振興課などにアピールしたい」と意気込みを述べる。

日本食ブームを受けて、中国、韓国、米国、台湾など海外展開も行っており、特に中国や韓国では10社以上に納入実績がある。

〈大豆油糧日報 2019年8月27日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/soy/2019/08/2019-0827-1340-14.html
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