“紅茶派”急増で紅茶飲料の市場が拡大、各社の大型新商品ヒットが貢献


好調に推移する各社の紅茶飲料

好調に推移する各社の紅茶飲料と7月発売の新商品

2019年1~5月販売実績は10%増

紅茶飲料市場が拡大し、2019年1~5月の販売実績は前年比10%増になった(飲料各社からの聞き取りによる)。好調の要因は、各社の新商品が立て続けにヒットしたことが大きい。無糖や甘さ控えめ、また果汁を贅沢に使ったタイプが、新型のPET容器で市場に投入されたことで、生活者の注目が一気に集まり紅茶飲料市場全体が活性化している。

紅茶カテゴリーでトップのキリンビバレッジは、「午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー」(500mlPET、3月26日発売)が、3カ月足らずで115万箱(約2700万本)の売り上げを達成した。同社マーケティング部の平野真太郎ブランド担当部長は、「甘くないミルクティーとして好調に推移している。実際飲んでいただいた方からの評価が高く、リピーターが多いことが特徴だ」と話す。

また、紅茶飲料市場の好調要因について、「今年は、各社の紅茶新商品がヒットしたことで紅茶の魅力を改めて感じていただけた。紅茶市場は拡大し、トレンドは上昇傾向にある。背景として、コーヒーなど他のカテゴリーを流入元とし、ほぼ全年代で間口が広がっている。“午後の紅茶”は主力4品も好調で今年は過去最高の実績になりそうだ」と話した。

サントリー食品インターナショナルは、コーヒーで大ヒットした「クラフトボス」から、無糖の紅茶飲料「クラフトボスTEA ノンシュガー」(500mlPET、3月19日発売)を投入し、今年の紅茶ブームのきっかけを作った。紅茶の華やかな香りと、渋みが少なくすっきりとした味わいが、特に若い世代や女性から支持されている。

新たなラインナップとして、「クラフトボス ミルクTEA」(500mlPET)を7月2日から全国で発売し、コーヒー、無糖紅茶に続く新たな選択肢の提案を強化する。涼やかな色合いのパッケージデザインを採用した、すっきりと飲み続けられる軽やかな味わいの新感覚ミルクティーが、夏場の紅茶市場を盛り上げそうだ。

伊藤園は、「TEAs’TEA NEW AUTHENTIC 生オレンジティー」(500mlPET)を8月5日から発売する。生果実のオレンジスライスを紅茶と一緒に抽出し、皮まで丸ごと搾ったオレンジ果汁を加えた、素材そのままの味わいを再現した紅茶飲料。TEAs’TEAブランドがスタートして10年目となり、一番最初に発売した「TEAS’ TEAベルガモット&オレンジティー」を進化させた大型新商品だ。

コカ・コーラシステムは、「紅茶に果汁をたっぷり注ぐ」新しいコンセプトの紅茶飲料「紅茶花伝 クラフティ―(CRAFTEA)」シリーズが、発売15カ月で累計出荷本数が1億4000万本を突破し、2年目も引き続き好調に推移している。18年3月に第1弾として「贅沢しぼりオレンジティー」を、18年10月に第2弾として「贅沢しぼりピーチティー」を発売し、20代後半以上の大人の男女から支持を集め、紅茶で独自ポジションを築いている。

夏に向けては、「紅茶花伝 クラフティー 贅沢しぼりアップルティー」(410mlPET)を7月1日から発売する。通常の2倍の量の茶葉を使った香り高い紅茶に、芳醇なアップルの100%果汁とはちみつを加えた設計。

日本コカ・コーラ社マーケティング本部の赤部健祐マネジャーは、6月28日に都内で行った新商品説明会で、「“クラフティー”は、カロリーは気になるけれども、忙しい毎日の中で気分転換できるような甘さがほしい、素材の良さや自然さを感じる罪悪感の少ないものを選びたいという方々から支持されている。果汁をたっぷり使った“クラフティー”で既存の紅茶ユーザーに限らず、自然な甘みを求める大人層に幅広くアピールしたい」と語った。

また、同発表会に出席した紅茶関連商品を手がけるフィーユ・ブルー社でマスターティーブレンダーを務める熊崎俊太郎さんは、「紅茶は、もともと淹れるのに手間がかかるスローな飲料だったが、RTD化することでファストサービスになっている。ここにきて(飲料)各社が競い合うことで中味が向上し、特にバランスの良い商品づくりをしたRTD紅茶飲料が増えてきた。これは、ひとつの新しい文化であり、われわれ紅茶の専門家も歓迎するようになっている」と話した。

※RTD=Ready To Drink。フタを開ければそのまま飲める缶やペットボトル入りの飲料。

RTDの紅茶飲料は、これまで甘い飲料を求めるユーザーが主要顧客だったため、緑茶やコーヒーに比べて週に何本も購入するヘビーユーザーが少なかった。しかし、無糖や甘さ控えめタイプ、果汁たっぷりの自然な甘さのフルーツティーが登場したことで、やさしい味覚を求めるユーザーにとって、日常飲料における選択肢に入ってきた。キリンビバレッジが今年のプロモーション活動で、“紅茶派”のメッセージを打ち出したことも市場成長に貢献している。“紅茶派”が増えたことで、今夏はアイスティーの売り場が盛り上がりそうだ。

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2019/06/2019-0628-1802-14.html
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