ビール・ワイン・日本酒もロックで “氷を入れて楽しむ醸造酒”商品提案が相次ぐ


阪神甲子園球場で提供されている「日本盛 かちわり生原酒」

阪神甲子園球場で提供されている「日本盛 かちわり生原酒」

記録的猛暑となった昨夏の記憶も新しい中、2019年は北海道で5月として全国観測史上最高気温の39.5℃を記録するなど、梅雨入りを前に各地で暑い日が続いている。

従来、醸造酒(ビール、ワイン、日本酒など)では氷を入れて飲むスタイルが蒸留酒(ウイスキー、ブランデー、焼酎など)と比べ、あまり広く浸透していないが、昨今の気象条件も背景に、酒類業界では今年、夏に向けてビール・ワイン・日本酒という主要な醸造酒の各分野で「氷を入れて飲む」商品が提案されている。

氷専用ビール「アイス・ドラフト〈生〉」

氷を入れて楽しむために開発した“氷専用ビール”「アイス・ドラフト〈生〉」を展開するのはサントリービール。昨年のビール樽生の価格改定以来、ビール樽生市場は厳しい市場環境が続く一方、氷を入れて楽しむハイボールやサワーは伸長している状況を受け、今年3月19日から料飲店限定商品として発売、料飲店から新しいビールの価値提供を目指している。

「アイス・ドラフト〈生〉」は希少品種の“レモンドロップホップ”による爽やかな香りと良質な苦味が特徴。既存のビールと比較して、爽やかな香りと氷による冷たさで、最後まで爽快に飲めるという。

同商品の発売にあたっては、ブランドロゴを配した380mlのオリジナルジョッキも開発。「飲み口に向けて広がる形状で冷気と爽やかな香りが感じられる」「ビールと氷が最も冷たくおいしそうに見える十八角形のレリーフ」「女性でも気軽に楽しめる軽量設計(一般的な700gに対し475g)」などの特徴を持たせた。

「アイス・ドラフト〈生〉」の年内取り扱い目標は全国約3,000店。同商品を導入した「大衆パラダイス 芝浦ホルモン」(東京都港区)では、「ビール杯数は(前年同月比)120%、金額で105%くらいで推移している」(同店経営 K.O.PROJECT・今東俊雄社長)という。

料飲店限定 氷専用ビール「アイス・ドラフト〈生〉」

料飲店限定 氷専用ビール「アイス・ドラフト〈生〉」

「氷と楽しむおいしいワイン。」に新商品「サンシャインフルーツ」

サントリーグループでは他に、ワインでも氷を入れて飲む提案を実施している。
 
サントリーワインインターナショナルは「氷を入れた状態でもおいしくワインを飲みたい」という顧客の声に応えて展開している「氷と楽しむおいしいワイン。(酸化防止剤無添加)」シリーズの新商品として、6月25日から期間限定商品「氷と楽しむおいしいワイン。(酸化防止剤無添加)サンシャインフルーツ」(720ml・アルコール12%/オープン価格)を投入する。白ワインをベースに、夏に人気のパインアップル・グレープフルーツ・マスカットの果汁を合わせ、氷を入れてもおいしく楽しめるフルーティで爽やかな味わいに仕上げている。
 
なお、同社では「カルロ ロッシ」などの他のワインブランドでも、夏に向けて氷を入れて楽しむ飲み方を提案し、新たな需要の創造に取り組む。

「氷と楽しむおいしいワイン。(酸化防止剤無添加)サンシャインフルーツ」

「氷と楽しむおいしいワイン。(酸化防止剤無添加)サンシャインフルーツ」

氷でキンキンに冷やして飲む「かちわり生原酒」

日本酒では、日本盛が4月末から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)内で、「かちわり生原酒」(税込550円)を専用サーバーで提供開始。「適度にアルコールが下がることで口当たりがまろやかになり飲みやすく、販売開始から大変良い評判をいただいている」(日本盛)という。
 
甲子園球場で従来提供していた「しぼりたて生原酒」は、2017年の発売当初から「ガツンとくる生原酒がおいしい」「おいしくて飲み過ぎる」と好評だった反面、「量は飲めない」「夏場はすぐにぬるくなる」などの声があり、それらのニーズに応える形で「かちわり生原酒」を企画した。発売前に実施したアンケート調査では、日本酒ロックの飲用実態は夏場で35.3%、冬場でも12.3%と、通年で一定の需要があり、飲用意向も「とても飲みたい」「飲みたい」の合計で約50%に達した。
 
一方、日本酒をロックで飲んだ経験のない人からは、その理由として「氷を入れてはいけないと思った」「薄くなりそう」「おいしくなさそう」といった回答があり、同社は「マイナスイメージを払拭することで需要喚起が可能」(日本盛商品開発室・高野将彰氏)としている。
 
5月28日からは瓶商品「かちわり生原酒 720ml瓶」(アルコール20%、希望小売価格788円税別)を発売、“氷でキンキンに冷やして飲む日本酒”として提案し、WEBサイトを活用しておいしい作り方やカクテルレシピの情報も発信。日本酒業界の課題である夏場の飲用喚起と、日本酒ロック飲用の潜在需要の喚起につなげていく意向だ。

「日本盛 かちわり生原酒 720ml瓶」

「日本盛 かちわり生原酒 720ml瓶」

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2019/06/2019-0531-0049-15.html
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