ニチレイロジグループ本社、18年度は災害影響も増収増益 3PLの新モデル確立へ、外部アセットの活用も推進


ニチレイロジグループ本社 梅澤一彦社長

ニチレイロジグループ本社 梅澤一彦社長

ニチレイロジグループ本社は5月20日、同本社(東京都中央区)で18年度事業報告会を開き、梅澤一彦社長が説明した。18年度は西日本豪雨など災害影響がある中、増収増益を確保した。今後、輸配送コストや労務費、エネルギーコストの上昇に対して、適正料金の収受が課題となる。19~21年度の新中計では3PLの新たなモデルの確立、ASEAN 地域の事業拡大を成長戦略に据える。関西の機能強化として、外部アセットの活用も進める。

19年3月期連結決算は売上高が2,010億4,900万円で前期比3.1%増、営業利益は113億9,800万円で1.3%増となった。営業利益は前期比に続いて分社化以降の過去最高を更新した。梅澤社長は輸配送コスト増(約3億円)、電力コスト増(同)、作業委託コスト増(4億円)のほか、西日本豪雨など災害影響(約2億円)がある中での、増益確保に一定の評価をした。集荷拡大(5億円)や業務改善効果(6億円)が寄与。適正料金の収受に努めた。

物流ネットワーク事業は売上高936億8,000万円で3.5%増、営業利益は38億7,800万円で7.0%増と伸長した。通貨型センター(TC)事業は主要顧客の取り扱い物量増加が寄与。3PL事業は関西のCVS業務が拡大した。

地域保管事業は売上高654億9,500万円で2.8%増、営業利益は64億3,600万円で3.8%減と増収減益。北海道や南九州の荷物拡大、キョクレイの飲料原料取り扱いの拡大が増収に寄与。関東は労働力不足による運営効率の悪化、再保管コストの上昇もあり収益を圧迫した。

海外事業は売上高383億2,800万円で8.5%増、営業利益は12億2,900万円で21.0%増と伸長した。そのうち主力の欧州事業はブラジル食肉不正問題でチキンの搬入量の減少が続いたが、他国産チキンや新規の凍菜など代替貨物を取り込み増収増益。中国事業は大手CVSの出店加速に対応し新センターを2カ所開設。売上げは拡大したが、新センター稼働に伴う一時的な移管コストで減益となった。

那覇、名古屋、本牧にセンター開設

19~21年度の3カ年新中期経営計画では最終年度に売上高2,270億円と18年度比12.9%増、営業利益は127億円で11.4%増を見込む。

増益計画は「集荷中心の営業施策となる」。集荷増による売り上げ拡大(83億円の積み増し)で営業利益15億円分の増加を見込む。今年5月に稼働した那覇新港物流センターでは「まずは沖縄の在庫需要」を取り込み、東アジアへの輸出入ルートの構築も視野に入れる。3万tクラスの名古屋みなと物流センターは20年4月に稼働予定。業務革新センターのモデルセンターの位置づけだ。21年3月にはキョクレイの山下物流センターの代替となる、本牧物流センターが稼働予定。

関西では保管・運送の一体運営、ネットワーク化を推進する。外部の倉庫会社と提携して輸配送機能の強化と効率化を追求する。「提携先とのアライアンスにより庫腹を利用し、ノウハウの提供によって一律のサービスを提供する」。中計では売上高は260億円の増収計画だが、そのうち海外事業で111億円を見込む。中心となるのは欧州事業だ。英国を含め欧州港湾地区の拠点の機能強化を図り、港湾でのナンバー1の地位を確立する。内陸の運送では越境輸送と量販物流の拡大を図る。そのため東欧では川下センターの拠点整備を進める。

中国では現在、上海鮮冷の上海の本社センターと浙江省(杭州)の常温と低温センター、江蘇鮮華の低温・常温センター――と、上海・華東地区に4センターを運営する。北京、大連、武漢、重慶など他のエリアについては、運営ノウハウを提供する支援を行っていく。

ASEAN については経済成長に伴い「質の高いコールドチェーンのニーズが高まる」として、“ASEAN におけるソリューションビジネス”を成長戦略のひとつに位置付ける。現在拠点を構える、タイとマレーシアの事業拡大とともに、今後、低温物流が成長する土壌と合弁パートナーの存在を吟味して次の進出先を見極める。

3PL事業の拡大によって売上高60億円の積み増しを計画。成長戦略として“新たな3PLモデルの確立”を目指す。物流会社への業務委託型による冷食メーカーの共同配送を、参加メーカーとのプロジェクト形式にして情報を可視化することで更なる効率化を図る。

〈冷食日報 2019年5月22日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/frozen/2019/05/2019-0524-1848-14.html
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