日本ハム19年3月期決算、加工食品事業は主力ブランドの伸長などで増益に


畜産日報 2019年5月16日付

畜産日報 2019年5月16日付

日本ハムは5月15日、2019年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.9%減の1兆2,341億8,000万円の減収となり、利益面でも第2四半期に台風21号と北海道胆振東部地震の影響による棚卸資産の評価損、固定資産減損損失を計上したことなどにより、営業利益は29.6%減の322億6,500万円、税引前利益は42.7%減の302億6,700万円、当期利益は49.6%減の190億1,700万円の減益となった。

20年3月期は、売上高が3.7%増の1兆2,800億円、事業利益は400億円、税引前利益は14.1%減の260億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は5.4%減の185億円を見込む。
 
【加工事業本部】

ハム・ソーセージ部門では、コンシューマ商品でレンジ調理訴求を行った「シャウエッセン」などの主力ブランドが好調に推移したほか、「シャウエッセンホットチリ」や「WorldTravel アンティエ」などの新商品で上乗せを図ったがPB商品が伸び悩み前年を下回った。ギフトでは、旗艦ブランドの「美ノ国」は堅調に推移したが、市場全体の落込みや宅配料金の値上げなどの影響で前年を下回った。

業務用商品は、商品構成の見直しなどによって販売数量が減少し、ハム・ソーセージ部門全体の売上げは前年を下回った。加工食品部門では、コンシューマ商品で主力の「中華名菜」や「石窯工房」が好調に推移して前年を上回った。業務用商品では大手外食チェーン向けの売上げが苦戦したが、加工食品部門全体の売上げは前年を上回った。利益では物流コストや燃料費などが上昇したが、効率的な販促経費の運用や、製造部門での稼動の平準化や製造ラインの省人化などを行い、主力ブランド商品の伸長に伴って粗利益率が改善したことで増益となった。売上高は0.7%減の3,530億9,100万円、営業利益は32.9%増の77億9,700万円となった。
 
【食肉事業本部】

食肉事業では、国産鶏肉「桜姫」や国産豚肉「麦小町」などのブランド食肉を中心にテレビCMによる認知度の向上、SNSを活用したレシピやプロモーション情報、消費者向けキャンペーン情報の発信や店頭販促を行うなど幅広い提案・営業活動を行った。

外食店やCVSチャネルの顧客ニーズや店舗オペレーションを踏まえた商品開発と提案営業も強化したが、国産の豚肉・鶏肉相場が前年に比べて下落したことや、輸入豚肉の販売量が減少したこと、輸入鶏肉の価格が軟調に推移したことなどによって売上げは減少した。利益では生産部門において飼育成績やブランド食肉比率の向上、新設備導入による処理能力の向上などに努めたが、国産豚肉・鶏肉の相場下落や飼料価格の上昇による影響が大きく減益となった。販売部門では、量販店へのブランド食肉の販売強化や外食向けの営業体制の強化に努めたが、国産牛肉と輸入牛肉が高値で継続したことや、台風21号と北海道胆振東部地震の影響もあり全体で減益となった。売上高は2.8%減の7,569億9,300万円、営業利益は24.2%減の357億4,300万円となった。
 
【関連企業本部】

水産部門は回転寿司店や量販店向けに海老、イカ、鮪を中心とした寿司種の販売が伸長したが、寿司種以外の商品は原料相場の高騰や競争激化によって販売が苦戦した。また、低収益商品の整理を進めたことなどもあり売上げは前年を下回った。

乳製品部門のうち、ヨーグルト・乳酸菌飲料は主力の「バニラヨーグルト」が堅調に推移したが、市場成長の鈍化や競争激化によって乳酸菌飲料の販売が減少して売上げは前年を下回った。チーズは、コンシューマ商品はベビーチーズやカップ製品が伸長したが、業務用商品は製パン向けや外食店向けの販売が伸び悩み、売上げは前年を下回った。

利益面は、水産部門では寿司種を中心に価格改定を進めたことや低収益商品の整理などの構造改革を進めたことにより粗利益率は改善したが、販売数量が減少したことで前年を下回った。乳製品部門では原材料価格の上昇、人件費や物流費などの経費が増加したことなどによって前年を下回った。売上高は5.2%減の1,550億7,300万円、営業利益は73.3%減の4億4,100万円だった。
 
【海外事業本部】

売上高は、アジア・欧州事業でトルコや中国において国内販売が伸長したが、タイからの日本向け売上げが減少したことによって前年を下回った。

米州事業は食肉の輸出が順調に推移したほか、米国内販売が伸長したことによって前年を上回った。豪州事業は日本やアジア向けの牛肉輸出が好調に推移して前年を上回った。利益面では、アジア・欧州事業は中国での販売数量の増加や、英国における食肉調達コストが安定し前年を上回った。米州事業は食肉輸出が増加したことや米国内販売での粗利益率が改善して前年を上回った。豪州事業はオーストラリアでの生産コストの改善が進んだことや生体牛の集荷が順調だったこと、安定した販売価格が維持できたことから前年を上回った。ウルグアイは生体牛の集荷環境の悪化や販売単価の下落によって前年を大きく下回った。売上高は0.4%増の2,552億900万円、営業損失は37億5,300万円(前年同期は47億300万円の営業損失)となった。

〈畜産日報 2019年5月16日付〉

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/meat/2019/05/2019-0516-1037-14.html
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