夜の経済活動「ナイトタイムエコノミー」に注目、“居酒屋はしごツアー”が訪日客に支持


フレンドリーなガイドが「バーホッピングツアー」の魅力

フレンドリーなガイドが「バーホッピングツアー」の魅力

穴場のローカル居酒屋をはしご、「バーホッピングツアー」

インバウンド消費がモノからコトに移る中、にわかに注目を集めているのが、夜の経済活動「ナイトタイムエコノミー」だ。都市部を中心に、エンターテイメント施設など夜遊びのコンテンツを充実させることで、インバウンド消費をさらに活性化させる動きが活発化している。

「『日本は夜遊びのコンテンツが少ない』。外国人観光客から聞かれる不満の声を救う受け皿として始めた事業で、友人と居酒屋をはしごするようなフレンドリーなサービスがFIT(個人海外旅行)に受け入れられ、連日満席の大人気ツアーとなっている」。こう語るのは、訪日外国人旅行者向けの居酒屋はしごツアー「バーホッピングツアー」を運営するライブラ(東京都中央区)の岩瀬僚介氏。新たなインバウンド消費の目玉として耳目を集める「ナイトタイムエコノミー」のいまを追った。

“居酒屋”文化への外国人の関心に着目

東京・「渋谷肉横丁」、とある平日午後8時――。卓上で炎が上がる炙りたての国産牛リブロースの“肉寿司”に感嘆の声を上げるのは、日本を訪問中の外国人だ。日本人のツアーガイドに連れられ、6人で来店した彼らは、アメリカやオーストラリア、イギリスなど出身国も様々で、友人同士に加え、日本に出張中の合間に参加者した1人客もいる。

日本でしか食べられない肉寿司は訪日客にも大好評

日本でしか食べられない肉寿司は訪日客にも大好評

同社は、17年に訪日外国人旅行者向けの観光ツアー提供サービス「マジカルトリップ」を立ち上げ、海外には無い“居酒屋”文化への外国人の関心の高さに着目し、18年1月「東京バーホッピングツアー」の運営をスタートした。同月、改正通訳案内士法が施工され、無資格者でも有料ガイド業務が行えるようになったことを、いち早くビジネスチャンスとして捉え、新規事業への参入を決めたという。
 
「サービスローンチに向けて行った、約200人の訪日外国人旅行者への聞き取り調査では、『居酒屋で飲むなど夜遊びをしたかったが、おいしい店や、英語が通じる店が分からず体験できすじまいだった』といった、夜遊びのコンテンツの不足への不満の声が多く上がった。その受け皿となるべくスタートした事業で、ツアーを運営するに当たって、最もこだわったのは、ガイドの質の高さだ」と岩瀬氏は振り返る。
 
〈日本の食文化やお酒を英語で説明、一緒に「乾杯!」も

グローバル企業への就職を目指すなど意欲が高い留学経験のある大学生や語学が堪能な社会人を中心にガイドチームを構成し、居酒屋巡りに加え、日本の食文化やお酒などについて英語で説明しながら一緒に『乾杯!』して楽しむフレンドリーなツアーを売りにしている。岩瀬氏は、「“良き友”となり得るフレンドリーなガイドへの評価は高い。世界最大の旅行口コミサイト『トリップアドバイザー』の東京・ナイトライフ部門でも毎月ランキング上位を獲得しており、ガイドへの評価の高さが、当ツアーが支持される理由だ」と強調する。
 
「新宿西口思い出横丁」に加え、日本酒の立ち飲みバーなどを巡る新宿区でスタートした同ツアーは、渋谷と浅草に加え、大阪・なんばや京都・祇園、広島でも連日催行されている。

東京で催行される各バーホッピングツアーの料金は大人1人当たり税込み9900円で、居酒屋やバー、横丁など3店舗の飲食店を3時間ではしごする。訪問店舗の中には、インバウンドの来店に躊躇する個人経営の居酒屋も多く、同社が英語表記のメニューを作成し、サポートも行っている。

ツアー実施人数は最大6人で、参加者の平均年齢は20代後半から30代前半と若く、国籍別ではアメリカ・オーストラリア・イギリスと続く。口コミによる拡散効果で、参加者数は毎月1.2倍増で拡大。1月末には自治体とタッグと組み、スキーで同地を訪問中の外国人をターゲットに、新潟・十日町市でも運営がスタートしている。
 
「日本酒に焼酎、ワインなどお酒をキーにインバウンドを呼び込みたいと考える地方は多い。地方でもバーホッピングツアーへの関心は高く、随時、運営地域を拡大していく。目下の課題はツアーガイドの育成で、応募者数は多いものの英語力に加え、コミュニケーション能力の高さや、食や文化に関する学習意欲も必須となることから、実践的なトレーニングの仕組みや、現在開発中のガイド専用のアプリケーションを通じて、質の高い人材の育成を急ピッチで進めている」(岩瀬氏)。
 
現状は英語のみの対応のため、利用客は欧米中心だが、拡大するアジア地域のFITに向け、中国語や韓国語などにも対応できるツアーガイドの育成も実施中だ。商店街の食べ歩きなど、アルコールを提供しないファミリー向けのツアーも充実させていく予定で、「バーホッピングツアー」に加え、多様化するインバウンドのニーズに応える多彩なツアーを実施していく意向だ。

◆東京バーホッピング渋谷(Tokyo Bar Hopping in Shibuya)サイト=https://www.magical-trip.com/product/e97da2a4-a99c-4ec8-b2c2-e5e9ae25a8f6

記事提供元:https://www.ssnp.co.jp/news/foodservice/2019/03/2019-0313-1606-14.html
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