クレームという逆境の中で、新しいチャンスが生まれる真実
面接に遅刻したことをプラスにする、そんなことがありえるの?そう感じる方が多いことと思います。
私はかつて食品メーカーに入社し、営業職に就いておりました。その際、どんなに一所懸命働いていてもクレーム(苦情)に出会うことはありました。
しかし、クレーム対応をしっかり行った結果、苦情の取引先から新しい契約を頂いた経験があります。
そんなきっかけの取引先の方とは、「あんなことがあったね。」と笑って話せる関係になることも。
人事部で新卒採用に関わっていた私が就活生に思うこと
私はまた、最近まで人事部に在籍し新卒採用にも関わりました。
食品メーカーではありませんでしたが、学生の皆さんとのコミュニケーションの中で「あーこうしたら良いのになぁ」と、社会人の先輩として思うことがたくさんありました。
営業マンとして、人事部としての見方・考え方で、失敗から成功につながる方法を自分の経験からお話していきたいと思います。
面接当日に人事部にかかってくる就活生の電話
面接直前にかかってくる就活生からの電話は、だいたい「以下の3要素」で構成されています。
(1) 大学・学部名・名前を早口で話す
(2) とにかく「遅刻します」と話す
(3) 最後に「どうしたらいいでしょうか?」と聞いてくる
冷静な気持ちでこのサイトを読んでいる皆さんは、これを読むと、多くの間違いに気が付くかもしれません。
しかし、実際に面接に遅刻するという現実が目の前にあるとき・・・多くの学生の電話から受け取れることはこれが現実です。
遅刻現場の実況中継はいらない
気持ちはとてもわかります。「御社の面接を受けたくて一所懸命なのに遅刻しそうなんです!」という雰囲気は確実に伝わってきます。
しかし、それでいいのでしょうか?それを受けた人事部の人の伝言メモにはこのように残るかもしれません。

実に曖昧な情報のメモが面接会場の受付に伝わります。決してメモには「大変そうで、一所懸命みたいでした」などとは書かれません。
遅刻。。事故などの影響で遅れてしまうこともありますが、今回の記事では「遅刻」を一つの「失敗」と例えてみます。失敗から成功につながるポイントをここから見ていきましょう!
遅刻対応ポイント1「電話する前に調べること」
電話をする状況はつまり「遅刻しそうな状況」です。まず遅刻時間の幅を把握する必要性があります。
かけた電話では「どれぐらい遅れそうですか?」と人事担当者は当然聞いてくると思います。「間に合いそうだが、念のため」「10分前後の遅刻の場合」「30分前後の遅刻の場合」など、遅刻の程度にも差があるものです。
そして、遅刻の対応策も自分で考える必要があります。「電車遅延のケース」であれば乗り換え検索等で他の交通手段を調べること、「場所間違えのケース」であれば今いる地点から面接地に向かう場合の経路を把握することが求められるでしょう。
※注意※ 遅刻の連絡は早いに越したことはありません。調べるのは短時間で「見込み」程度でOK。綿密に調べ始めると、面接開始時間になってしまいます!
遅刻対応ポイント2「名前や大学名などを、分かりやすく伝えること」
これは遅刻の連絡に限らず、就職活動全体で必要なことだと思います。
電話での第一声は「○○大学 ○学部の ○○と申します。」から始まると思います。
たとえば、選挙演説カーのアナウンスは理想的です。

選挙戦では名前を憶えてもらうことはとても大切ですから、ひらがな3文字の田中も、「た な かです。」と一文字一文字を丁寧にゆっくり発することで聞き手の頭にすんなり入っていきます。
苗字が簡単・珍しい・むずかしいに限らず、ゆっくり一文字一文字を伝えるような話し方は大事です。これは名前だけではなく、大学名・学部名も同様です。
もしも名前が難しい場合には、漢字の表現を省略しフリガナの名前を丁寧にゆっくり名乗ったり、読み仮名に漢字表現をプラスしたり(西郷隆盛のサイゴウです等)工夫してください。
あなたが話した名前や大学名が、その通りにメモに残してもらえるかを考えて話しましょう。
遅刻対応ポイント3「お詫びの気持ちをまず伝えること」
遅刻を失敗に例えているわけですが・・・社会人になって受けるクレームや苦情の原因は、必ずしも企業側あるいは営業マン本人の責任ではないことが多いのです。
それでも結果的にクレーム(苦情)となったことに対しては、仮に原因がこちらにないケースでも、相手側への不快な思いをさせた対応については、お詫びの気持ちを伝えることが欠かせません。
面接への遅刻原因が仮に人身事故などの社会的事情だとしても「人身事故で遅れます」と原因をアピールする前に。
「本日 ○時からの面接予定ですが、遅刻してしまいそうです。申し訳ありません。」こう一言添えるだけで、違ってくる気がしませんか?
遅刻対応ポイント4「遅刻の現状を甘えないで伝えること」
この心構えは就職活動でとても大切であり、勘違いをしてはならないことです。
企業の人事採用担当者と連絡を交わしてみると、とても親切で優しい。このように感じる方が大半だと思います。
企業の中の人事部というセクションでは、応募してくださる学生は「お客様」になります。
だからと言って、面接にたどり着くまでの過程で、自らがお客様意識で対応してしまうのは良くないことです。
自分と企業の関係を常に忘れずにいることが大事
面接会場に無事到着し、面接室のドアをあけた時からは少なくとも、お客様ではなく、あなたは志望企業に試される学生になるのです。
常にその意識を心に持って活動をしていたなら「遅刻しそうなんです!どうしたらいいでしょう?」といった甘えを感じさせる電話をかけることは無くなると思います。
ここまで書いてきたポイントをあなたが実践できただけでも、社会人になっても緊急の対応が可能な人材であるという評価に結びつくことは大いにありえるのです。
→後編に進む:面接に遅刻しても電話連絡で人事の記憶に残る学生になれ!
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