食品業界の問屋業(卸売業)の仕事内容と面接の注意点


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食品業界の「問屋業(卸売業)」って何だろう?

食品業界を流通面から分類すると、製造業(メーカー)、問屋業、小売業の大きく3つの業態に分かれます。この中で就活生のみなさんに馴染みの最も薄いものは「問屋業」ではないでしょうか?問屋業を理解するために、上記3つの業態を簡単に比較すると、まずそれぞれの取引相手が違います。一般的には、メーカーと問屋業の取引相手が業者であることに対し、小売業の取引相手はエンドユーザー(消費者)になります。

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私は食品卸売会社で働きながら新卒社員の採用担当も務めているのですが、面接の時に「卸(問屋)と商社の違い」を就活生の方に質問することがよくあります。具体的には「なぜ商社ではなく、卸(問屋)である弊社を希望するのか?」とお聞きするのですが、そもそも卸(問屋)と商社の違いを理解していない人が多いのが実態なので、下記の関連記事もご覧ください。


もう少し詳しく言うと、メーカーの取引相手は問屋業者や小売業者ですが、問屋業の取引相手はメーカーや小売業者が普通です。つまり、メーカーと小売業間の直接取引を除き、問屋業は「他の2つの業態(メーカーと小売業者)を繋ぐパイプ役」と言えます。※業態(ぎょうたい)とは「売り方の違い」を基準とした分類のこと。ちなみに「売る物の違い」を基準とした分類は、業種(ぎょうしゅ)と呼ばれます。

問屋業って具体的に何をするの?

例えば、コンビニエンス/スーパー/一般商店などの小売業者には、お店に並べる商品を選定する「バイヤー」がいますが、このバイヤーにメーカーが作った新商品を提案したり、逆に「こんな商品が欲しい」といったバイヤーからの要望をメーカーに伝え・探し、もし無いようであれば開発を検討する、そんな仕事を主に行います。

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その他、複数メーカーから納品された商品を一元管理し、まとめて納品するような仕事もしています。中にはメーカーから原料を仕入れ、自社で袋詰めして出荷する問屋さんもいます。

また、昨今の食品業界では「食の安全・安心」がいっそう声高に叫ばれていますので、問屋業者が独自の厳しい品質、衛生管理基準を設け、一歩引いた立場からこれらをメーカーに徹底させることで、食の安全・安心においても一役買っているケースがよく見られるようになってきました。

問屋業が無いほうが商品を安く買えるんじゃないの?(そうとは限りません!)

確かに中間マージンが発生しませんので、問屋業を通さないほうが消費者にとっては商品を安く購入できる場合があります。実際、問屋業を介さずに直接取引を行う小売業者もたくさんいます。ただ、一定規模の小売業者になると、問屋業者なしでは流通が成り立たなくなります。例えばコンビニエンスなどの場合、商品の発注数が大量になります。お店に並んでいる商品をそれぞれのメーカーが個別で納品する様子を想像してください。おそらく混乱を極め、どうにもならなくなってしまうでしょう。

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また、メーカー側にとっても製造以外に専門の営業職を雇い商品を売り込み、商品を複数の出荷先ごとに管理し、実際に出荷する、そんな余計な手間と経費が増えてしまいます。さらには商品に何らかの問題が発生した場合、そんな忙しい中でクレーム対応を行わなくてはなりません。これではより良い商品を製造することができず、本末転倒な結果になってしまいます。

問屋業者がそれらの業務に集中して取り組むことで上記の問題を起こりにくくし、それでも起こってしまった場合にも速やかに問題解決に取り組むことができます。つまり、問屋業はメーカーと小売業の中間に入って「潤滑油」的な役割を担っている存在なのです。

※今回お話しいただいた業界人の方:I.R.さん(30代男性・営業職・業界経験10年以上)