食品商社の人事が語る 食品業界での就活を成功させるための秘訣


就活では初めての経験も多く、こなすべきタスクも盛りだくさんで、非常に忙しく思えるかもしれません。しかしながら、本当に大切なことを理解し、優先順位を付けて挑めば、効率良く納得度の高い就活をすることができるはずです。

私はこれまで、食品商社にて人事採用担当を経験し、現在は営業ポジションにて食品業界に深く関わっています。その経験から、食品業界の就活では何に時間を割くべきか、どういった方法が有効かについて、具体的ノウハウを交えて紹介したいと思います。

ガラパゴス化した日本の就活の問題点

食品業界の就活についての話の前に、そもそも日本の就活に大きな問題があることを理解する必要があります。まず、日本と諸外国での就活には、考え方、そしてそのスタイルに大きな違いがあります。日本では、大学在学中に就活への準備を始め、大学卒業までには就職先が決まるという流れが通常です。しかしながら、諸外国、特に欧米諸国では、まず在学中は勉学が第一(そもそも、課題が多くて、勉学第一になる)であり、就活は卒業後に行うのが当たり前です。

私は仕事でアメリカに行きますが、現地の工場のマネージャーの息子さんは卒業後にインターンや放浪の旅をして、結局卒業の2年後に定職に就いていました。しかも、食品系企業の研究職で初年度の年収が650万円ほどのポジションを獲得していました。

他にもフランスのサプライヤーの営業担当者は29歳ですが、セールスダイレクターであり、推定年収は1,000万円を超えています。経歴としては、大学卒業後、アメリカに留学し、英語を学びながらインターンで経験を積み、金融系の会社に就職、後にMBAを取得し、現在のポジションです。食品業界にも海外にはこういったハイエンド人材がごろごろ居ます。

日本人が就活のために膨大な時間を割いているのに対して、海外の人材は自身のキャリアのイメージを固めながら、必要な経験を効率良く積むことで、若くして高い賃金とポジションを獲得することに成功しています。まとめると、日本の就活では、明らかに仕事への理解、キャリアへの理解を深める機会が少なく、企業選定の理由も、安定性、企業の人の雰囲気といった漠然とした理由が多く、納得度の低い就活になっていまっています。

それでは、具体的に食品業界の就活で成功するために時間を割くべきことを紹介していきましょう。

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食品業界の就活で時間を割くべきことその① 食品業界を理解する

食品業界と一言に言っても、様々な業態、企業が存在することは何となくイメージが付くかと思いますが、そのイメージを具体化する作業が重要です。食品業界を理解するには、モノの流れに沿って理解すると解り易いです。簡単に表現すると以下の通りです。

[食品サプライチェーン]
生産者 ⇒商社 ⇒メーカー ⇒問屋 ⇒小売・量販店

生産者は、農産品や畜産品、水産品といった食料資源を加工するサプライヤーであり、世界中のサプライヤーを発掘し、日本の市場に供給する仕事を商社が担います。その間には、船会社や物流会社、そして海外からの輸出入手配や申告手続きを行う、フォワダー、乙仲業者がサポートしてくれます。

国内に無事輸入された貨物は国内の倉庫業者が管理する倉庫に入庫し、貨物の委託管理を請け負っています。倉庫から食品メーカーを中心とするユーザーの発注に応じて、物流を手配し、指定工場や倉庫に納品します。日本は小口輸送、納品が多く、1ケース15kgや25kgのバルクケースを手積み手降ろしで対応していることも多く、物流業界の協力が無ければ、全く成立しないビジネスモデルです。

こうして、運ばれた原料は食品メーカー等で加工され、最終商品となります。売り場は日本中のスーパーや小売、町の商店等になるので、小口の配送を得意とする問屋へ販売されます。

今の説明だけでも、まとめると以下のように複数の業態を確認することができました。

  • 生産者(食品原料に加工するサプライヤー)
  • 商社
  • 船会社
  • フォワダー・乙仲業者(貨物の輸出入をサポート)
  • 倉庫業者
  • 物流会社
  • 食品メーカー
  • 問屋
  • 小売・量販店(スーパー、コンビニ、町の商店等)

さて、ここからが本題ですが、食品業界を深く理解するには、これらの業態全ての企業を調べて、できれば就活で訪問することを推奨します。やり方としては、ネットや就活ナビや企業四季報、業界地図を使い、それぞれの業態で代表的な企業を3社ほどを訪問すれば良いと思います。

リサーチを進める中で興味度が高い業態、キャリアイメージが付く業態が見つかれば、その業態で更に複数の企業を調べ、受験すると良いでしょう。このように業界全体を理解した上で就活を進めていけば、なぜこの業態に就職したいのか、なぜ食品業界なのかといった志望動機にも深みが出ることでしょう。

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