日本でも転職がステータスになる時代が来るかも?入社後はスキルの身につけ方も大切に


食品業界は離職率も少なく、比較的働きやすい業界だと言われます。皆さんも、転職サイトの企業データにある離職率を見たことがあるかもしれませんが、他業種と比べると実際数字は低めであると感じます。そのような食品業界においても、結婚や家族の転勤、自分自身のスキルアップを理由に転職を考えることは誰にでも起こりうること。しかし、いざ転職!と思ったときに仕事で実際に使ったことのない資格は、履歴書に書いてもスキルとして認識されません。このコラムでは、私自身の転職時の経験を元に食品業界にどのような会社があり、どのようなスキルが求められているのか、その一例を紹介します。

転職市場を見てみると…。

転職サイトに登録し、現在の職務経歴や転職したい業種・業態を登録すると、定期的に候補企業の情報を提供してもらえるようになります。使い方はおおよそ就活サイトと同じですが、注意が必要なのはマッチング(経験と求人票の内容)が悪いと紹介や検索結果に企業情報が反映されないことが多いということです。

例えば、外資企業ではTOEICの点数が800点~900点の間で足切をしていることがあり、その他のスキルがマッチしていても英語力が劣る場合は求人が表示されないことがあります。また、転職市場においては、「非公開求人」というものがあります。これは、転職エージェントと呼ばれる、企業と求職者の双方にマッチした人材をコーディネートするコンサル業の方々が企業からの依頼で保有している情報です。

先に述べたデータによる足切であれば、転職サイトをつぶさに探せば見つけ出すこともできますが、こうした「非公開求人」ではエージェントから声がかからないため、求人票を閲覧することもできません。

仕事に合わせてスキルを育てよう!

私が転職の時に役に立った、と思っていることは、例えば開発職の時に「食品表示検定中級に合格で、TOEIC800点」、異動して製品のラベル表示のチェック部署に移った時に「食品表示検定上級に合格でTOEIC850点」、その後、微生物研究室のリーダーになった時に「安全管理責任者でTOEIC930点」というように、入社以来継続的に、しかもその時々の仕事に関連した資格を取っておいた、ということです。

もちろん、当時は「いつか必ず転職するから、資格を取ろう」と思っていた訳ではありません。もともと社内での昇進に必要なスキル(社内指標)の他に、普遍的に評価に値するスキル(社会指標)を持っておきたいという嗜好だったことと、学生時代からの唯一の取柄が英語だったという自負から、職種に関わる勉強の結果を資格で残していた、というだけでした。

しかし、この行動が転職時に応募先企業や転職エージェントの方から意外な高評価を得ました。つまり、「あなたは向上心を継続的に持ち続け、かつ、その時々の仕事に必要なスキルを判断して、その分野で成長しようとしていますね。」という風に。

転職した事実も評価につながる時代へ…。

個人的なことですが、私の父と母、姉はそれぞれ10回、5回、3回の転職を経験しています。どれも業界や職種に統一性はあるものの、公務員、CMを流すような大手企業、外資企業、個人事業主、などなど、雇用形態は様々です。私が小学生の時には、仕事から帰った父を出迎えると、「ただいまー。●●(私の名前)、お父さん、今日は仕事辞めてきたからね。」「えぇー?そうなの?明日からプー太郎(ニートのこと)なの?すごいねぇ。」という会話を何度かした覚えもあります。

無職の期間を利用して夏休みをリゾートで過ごすなど(この間、父は転職活動を一切していませんでした)、退職・無職・転職もポジティブに受け取る家庭環境でしたので、私自身には転職への抵抗感はありませんでした。しかし、20年~30年前の日本においては「転職=その人に何か問題がある」という見方が強く、学校でからかわれたこともあったと記憶しています。

最近では、転職の理由にポジティブな内容があり、転職前の職場における実績を伝えることができ、転職前後の職種選択に一貫性があれば、退職の事実も割と好意的に受け止められる(少なくとも悪くは取られない)ようになってきたと感じます。逆に、海外との取引においてこちらの職務経歴を事前に紹介する場合は、転職の履歴がある方が却って信用されやすいことすら有りました。

日本人も外資企業や、海外で働く機会が増え、日本国内企業の意識も変わってきたと感じます。こうした社会を渡っていくには、食品業界においても安定にばかり目を向けず、自分が育てたいスキル・仕事に使えるスキルを見つけ、資格や試験といった形に残すことが一層重要になっていると感じます。

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