業界45年の大先輩に聞く!お客様の信頼を得るための品質管理・品質保証


私は食品会社では品質マネジメントシステム(QMS)関連の業務等、医薬品会社では製造管理及び生産技術関連の業務等に計45年ほど従事してきました。

最近私たちは業界・業種を問わず消費者の『安心・安全』を脅かす様々な事故や事件の報道に接する機会が増えています。驚くことにそれらを引き起こした企業は必ずしも無名の小規模メーカーのみならず、世間的にも名の通った大手メーカー(大企業)も含まれています。そして、食品業界も例外ではありません。

消費者の安心・安全を脅かす品質事件に対する就活生の感想

食品業界に就職を志望している学生の皆さんは、最近報道された“本来廃棄処分されるはずのレトルトカレーがスーパーで売られていた”というニュースを覚えていますか。私は食品会社に在籍していた者の一人として、皆さんがこのニュースを聞いた時にどんな感想を持ったのか、大変興味を持っています。

日本には“人の噂も七十五日”とか“喉もと過ぎれば熱さ忘れる”などの諺(ことわざ)があります。これらの諺は日本人の気質を上手に表現したものと感心しますが、少なくとも食品業界で活躍したいと考えている皆さんには、この事件から得た教訓を永く記憶に残して欲しいと願っています。

通常、これらの事件にはおおむね二つの典型的な共通項があります。一つは生命の安全や健康に直接的な被害を及ぼす可能性があること、もう一つは社会的な正義や世間の常識に大きく反することです。過去の事例では、この様な事件を起こした結果、社会的な信頼を回復できないまま消滅した企業も少なくありません。

食品業界の礎とすべき品質管理(QC)と品質保証(QA)とは

学生の皆さんは『品質管理(QC)』と『品質保証(QA)』という言葉を耳にしたことがありますか。

前者の【品質管理(Quality Control)】は、製造する製品を『規格値や目標値に適合させる』ための活動のことで、主に製造部門(工場)が取り組むものです。後者の【品質保証(Quality Assurance)】は、販売する商品の『安全性や性能や機能等を確保する』ための活動であり、一連の関連部門が協力して取り組むものです。

お気付きと思いますが、品質管理は品質保証の活動の一要素なのです。そして品質保証で言うところの一連の関連部門とは、一般的にサプライチェーンと言われる部門である『原材料調達』『製造』『試験・検査』『物流』及び『営業・販売』などが含まれます。

少し視点を変えると、品質管理の活動は、“測定や計測が可能な『避けられるバラツキ(=物)』”を対象とし、もう一方の品質保証の活動は、“測定や計測が出来ない『避けられないバラツキ(=人の考えや行動)』”を対象としています。

戦後のQCサークル活動に見る「品質管理」の日本誕生

日本に品質管理が導入されたのは戦後間もなく1950年頃ですから、今から約60年以上前に遡ります。

当時の連合国総司令部(GHQ)がソ連に対する情報漏洩の防止を目的として、米軍の最高機密とされていた『統計的品質管理(SQC)』と言う手法を本国より移入しました。後にそのことを知った日本の経営者達は、その手法を製造現場に導入し品質向上に活用することを思い付いたのです。

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