【業界研究】食品業界にはどんな仕事があるの?


ある日の面接で就活生Aさんは「~というのが志望動機でして御社が第一志望です!」と自信をもって伝えた。面接官のBさんも「うちの企業に魅力を感じてもらえて嬉しいよ」と満足気で順調に面接が進んでいたのだったが、、、「ところで、うちに入ったらどんな仕事をしてみたいの?」とBさんに聞かれた時、Aさんは入社後の仕事内容に対するイメージがないことに気づき、あたまが真っ白になってしまった。

食品業界にはどのような仕事があるのでしょうか。実際に「食品業界に行きたい!あの食品人気企業にどうしても入りたい!」と声高に言っている就活生たちも「そこにどんな仕事(職種)があるのか?」の理解度にはかなり差が見られます。

自分自身が行きたいと思っている業界や企業に存在する仕事たち、その全体像を知ることはあなたの就職活動に役立つことでしょう。もちろん準備段階での仕事内容のイメージは想像の域を超えませんし、企業ごとに異なる特徴を持っているため、企業説明会や面接、インターンなどの現場で実態をつかんでいく必要はあります。

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食品業界の仕事内容

食品業界における各社の組織形態は実に様々ですが、その中で実際におこなわれている仕事は飛び抜けて異なるものではありません。

原材料を仕入れる →加工製造をする →流通チャネルに乗せる →消費者に販売するという大きな流れは共通しているため、その流れの中で必要な業務とそれを管理する業務は自ずと近いかたちに落ちてきます。

今回は一例として、食品企業でよくみられる仕事内容について簡単に紹介していきます。(以下の仕事・職種は食品業界に限らず他業界でも見られるもので、各社によって割り当てる業務内容や呼称が異なる点に注意してください。)

仕事例1「研究開発・生産技術」

研究開発の仕事は、基礎研究・応用研究・商品化研究に分かれており、端的に言えば「こんな商品あったらいいな」を実現するものです。研究開発の仕事は主にメーカー職になり、商品化研究のウェイトが大きいのが実態です。

多くの場合、開発は商品カテゴリーごとにチーム分けされ、新規商材の開発、季節ごとの商品設計から、味の変更等のマイナーチェンジまで案件は多岐に渡り、1カ月で30品目もの開発を手掛ける人もいます。

生産技術とは、ものづくり技術のことであり、商品化研究の成果を活かしながら、高品質で安全な食品をローコストで製造するための技術を作っていくものです。各社商品コンセプトが似た商品を製造していても、生産技術力によって実際の利益率に差を生むこともでき、生産技術の高さは競争力の源泉となるノウハウにもなります。

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仕事例2「生産管理・品質管理」

生産管理は、高品質で安全な食品を経済的に生産していくための仕事です。主な業務としては、商品開発・工場・営業の間に立ち、生産計画を立案したり、製造工程の調整をしたりと調整弁としての役割が強いと言えます。また、新たな生産システムの導入等のプロジェクトマネジメントを行う場合も多く、近年、消費者の嗜好に合わせた製品ライフサイクルの短縮化などから仕事範囲は広がりを見せています。

品質管理は、高品質かつ安定供給を経済的に両立させる仕事です。品質不良を出さないことで、企業に対する信頼性やブランドイメージを守るという役割もあります。輸入品原料を扱うメーカーであれば、サプライヤーに訪問して工場監査を行い、原料が安全に生産されているか確認することも業務範囲であり、1年の半分を海外で過ごす人も居ます。

品質管理の仕事は、食品メーカーに多い職でしたが、最近は輸入商社においても、品質管理部隊を設置し、安心・安全な原料の輸入に力を入れる傾向が強くなってきました。

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仕事例3「マーケティング」

マーケティングは市場の開発・拡大にたずさわる仕事です。消費者の好みやトレンドの変化を感じとることで、時代に合った商品開発を手がけています。市場調査から商品企画、市場や販売チャネルの開発、新商品の広報活動や売上データ分析といったようにマーケティング業務は広範囲に渡ります。

たとえ味が美味しくポテンシャルが高い商品が開発できたとしても、その商品の良さを正しく市場に認知させ、売れる商品として確立できるかどうかは、マーケティング力によって大きな差を生むことになります。

日本は、「技術力はあるが、商売下手。」と言われてきましたが、その意味はマーケティング力の乏しさを示しています。各社、競争力をつけるために今後、ますますマーケティング職のニーズは高まっていくと予想されます。

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仕事例4「営業・販売促進」

食品業界の営業は、各社の得意市場によって形態はさまざまですが、代表的なものは商社として食品メーカーへの営業、食品卸会社への営業。食品メーカーとしての小売店への営業、外食産業への営業などがあります。

営業の仕事は、新たな商品を市場に浸透させる最も大切な仕事であると同時に市場トレンドや同業他社の情報をお客様から吸い上げて、商品開発やマーケティング担当者に共有する重要な役割を担っています。販売促進の仕事では、商品を効果的に販売する目的において、メディア活用や計画立案、広告枠の買付から広告の製作までを手がけます。

商品ライフサイクルの中で、各商品は、導入期、成長期、成熟期、衰退期と4つの段階を踏んでいくことが多いですが、販促次第で、衰退期の商品を成長期に載せたり、導入期の商品を早く成長期に乗せたりすることもできます。正しいタイミングで正しい販促を打つことで売上に大きく貢献することができます。

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仕事例5「購買・調達」

購買・調達の仕事は自社製品に使用する原材料の安定調達、適正価格での購買、新規案件立上げのための新たな原料の調査等、食品メーカーにおける動脈のような役割を担っております。昨今の食品業界では、水産資源の獲得競争、天候不順による農作物の不作、疫病により畜産原料の大減少等、原料調達における逆風は年々厳しくなってきています。

そうした厳しい環境下でもパートナーとなる商社や仕入先との関係を強化し、時には海外の産地まで飛んで直接交渉する等ハードな仕事ではありますが、その分、折衝力、多岐に渡る食品原材料の知識を獲得することができる仕事です。

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仕事例6「貿易実務」

貿易実務は、商品の輸出入における手続きや複雑なモノとカネの流れを理解し、スムーズに商品を動かすための仕事になります。主に輸入商社に多い職種ですが、食品メーカーでも海外調達部門を持ち、貿易実務担当者を置く場合もあります。

輸出入では税関での検査や申告をパスしなければ、商品を動かすことはできず、必要な書類を正確に作成し、間違いのないように申告する必要があり神経を使う仕事ですが、輸入品が多い日本では非常にニーズの高い仕事です。事務職でありながら、一般事務とは違い給与も高く、スキルも身に付く専門職になります。

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仕事例7「経営企画」

経営企画は、経営戦略や事業戦略の立案・実行などのトップサポートが代表的な仕事になります。ただ業務内容は各社で大きく異なっており、その中で求められるスキルにも違いが出ています。

仕事例8「経理」

経理は、取引の流れを数値で記録することで経営状況と資産状況を把握し、経営判断をするための資料を作成・整理・保管しています。事業活動に関わる全ての数値を管理・分析することで経営状況を客観的に把握できる状態をつくることがミッションです。

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仕事例9「人事・労務」

人事・労務の仕事は、最も重要な経営資源と考えられている「人材」に関わります。具体的な仕事としては、採用業務・教育研修・人事制度設計・労務管理などがあります。

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仕事例10「総務」

総務は事業活動全般を支援しています。オフィス管理やセキュリティ管理、会社の届出関係や株主総会の準備・運営など、業務範囲が極めて広く「会社の潤滑油」とも呼ばれます。

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まとめ

今回は、食品業界の企業の中には様々な仕事内容(職種)が存在することを簡単にご紹介しました。今後も、就職活動で志望動機を考えながらエントリーシートを書いたり、自己分析をしながら面接準備をしたりする中で、業界内の仕事内容について理解をさらに深めていけると良いでしょう。

また、ここで大事なのは、自分はこの仕事に絶対向いているとか、この仕事は苦手だからイヤだとか、最初から決めつけすぎないことだとよく言われています。企業活動はさまざまな仕事が相互に関連し合っていて、あなたのやりたいことにどこかで繋がるかもしれないません。まずは選り好みせず、全体像をじっくり把握することから始めていきましょう。

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