食品業界の環境への取り組みで未来が変わる!?私たちの地球を守ろう!


先進国を中心として、世界中で環境問題に対する関心が高まっています。特に最近は、未曾有の災害や天候不順による不作、不漁が繰り返され、未来に対する不安は高まる一方です。これまでは、環境問題への取り組みが大切と解りながらも、経済の発展と豊かな生活が優先されてきましたが、そうした活動が結果的に経済的損失を招く状況を生み出しており、各業界で環境対策、持続可能な生産という考えが広まりつつあります。

食品業界においても、様々な角度から環境問題へのアプローチが始まっています。今回は、食品業界における環境問題への取り組みと、今後どう立ち向かうべきかに着目してみたいとい思います。

フードロスへの取り組み

農林水産省の調べでは、日本における平成28年度の年間食品廃棄物は、なんと2,759万トンにものぼり、食べられる食品である「フード(食品)ロス」は実に643万トンにもなります。廃棄のルールは、賞味期限に基づいて設定されていますが、あくまで「美味しく食べられる期限」であり、実際は食べてもなんら問題ないのに厳しすぎるルールによりもったいない状況を生み出しています。

例えば、食品メーカーと小売店では、「3分の1ルール」というものが存在しており、6カ月の賞味期限の商品であれば、メーカー商品を扱う、卸業者は商品の製造日から数えて、3分の1にあたる2カ月以内に小売店の店頭に商品を並べる必要があり、それを過ぎると卸売業者を介して、食品メーカーに返品されるという仕組みになっており、返品された商品は廃棄されるか上手くいけばディスカウント店に転売されると言います。こうしたルールは当然他国にもありますが、米国は「2分の1」、欧州は「3分の2」と日本は極端に短く設定されていることが分かります。

こうした状況に対して、大手メーカーを中心に賞味期限を延長する動きや、賞味期限表示を従来の「年月日」から「年月」に変更する動きが始まっています。例えば、賞味期限が2020年3月31日のものと2020年3月1日のものは、共に前倒しで「2020年2月」となり、賞味期限が逆に短くなる場合も発生しますが、これまで納品が遅れて、賞味期限の逆転により、廃棄や返品されていたロスを大幅に減らすことに繋がり、また店舗での棚出しの作業が楽になり働き方改革にも繋がると言います。

こうした、業界の動きに加え、「食品ロス削減推進法」というルールが定められ、2019年10月1日より施行されました。これにより、都道府県や市町村は削減推進計画を策定することが努力義務となりました。このように、業界の努力だけでなく、国が積極的にルールを定めて、一部強制力を持つことにより、フードロスへの取り組みも少しずつですが進んできています。

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サステナビリティへの取り組み

欧米諸国を中心として、サステナビリティという考え方が盛んに叫ばれるようになってきました。背景としては、乱獲や気候変動による漁獲高の激減や土壌の治癒力を超えた農作物の栽培などによる環境への負荷の増加など、経済的利益を重視してきた結果、そのツケが少しずつ跳ね返ってきている状況があります。そのため、持続可能な経済活動や環境への影響を最小限に抑えたビジネスの展開が大手企業中心に広がっており、またそうした企業姿勢が取り組み先としての選定基準の一つとして評価され始めています。

具体的には、欧州では、例えば不正操業によって水揚げされた水産原料を使用した製品は一切輸入を禁止する動きが始まっています。農産系のメーカーでは、AI等の技術を駆使して、農薬の散布を最小限に抑えることにより、農地への負荷を軽減する動きや、自社工場に大規模太陽光やバイオプラントを設立し、クリーンエネルギーによる工場稼動を実現している会社もあります。

こうした動きは、2015年に国連総会で採択された『SDGs(エス・ディー・ジーズ)』、即ち持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)という具体的コンセプトと目標値にも語られており、企業それぞれの取り組みは、地球規模の目標達成に連動することが望ましいとされています。

一方、日本の食品市場を見てみると、欧州のように農薬を減らす動きや輸入原料に対して、持続可能性を求めるような動きは皆無と言ってよい状況です。先進国の一国として、食品業界でもリーダーシップを発揮し、業界を先導するような動きが今後はより強く求められるものと思います。

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