スーパーやコンビニの商品棚を見て食品市場リサーチの練習をしてみよう!


食品業界に入ると、市場トレンドのリサーチには必ずコンビニやスーパーに出かけて、それぞれの棚の陳列状況を確認します。そして各社によってその傾向は異なっており、特徴や方針が見えてくるものです。今回は、より食品業界への理解を深めて頂けるよう、スーパーやコンビニの商品棚の見方について紹介していきたいと思います。

商品棚を理解するメリット

皆さんは何気なくスーパーやコンビニの商品棚を見ているかと思いますが、食品業界でビジネスをする者としては、様々なポイントに着目して商品棚を見て回ります。例えば、食品メーカーに勤めている場合には、自社の商品を1点でも多く、棚に並べてもらうことが目標になりますが、競合他社の陳列状況、店頭での売価、どれくらい棚を占有しているかなど確認し、提案のポイントを組み立てていきます。

そうした食品メーカーへの食品原材料を納める商社の視点だと、商品棚から商品の傾向を読み取り、食品メーカーへ提案を組み立てます。例えばパスタソースのコーナーでトマトの商品が見え始めたならば、パスタソースのメーカーに訪問し、既存で使用しているトマト原料や今後の開発案件等が無いかどうか、ヒアリングしたりします。

このように、スーパーやコンビニの商品棚には、ビジネスのネタが転がっています。それでは、ここからは更に一歩踏み込んで、商品棚について理解を深めていきましょう。

棚割りと陳列

「棚割り」とは、どの商品をどこにどの程度陳列するかを決めることを指します。特にスーパーでは売り場面積も大きいので、その采配次第で店舗の売上を大きく左右する大事な仕事です。棚割りについては、店内商品をカテゴリして場所が決まったら、陳列する商品の数量を決定するのが一般的です。

これに加えて、季節ごとに売れる商品を並べてみたり、各食品メーカーや問屋を通して、またキャンペーンや販促提案に応じて、決定していきます。食品メーカーの営業マンは、この棚割りで少しでも自社商品の売り場面積を稼ぐために、売り場作りのための案内やポップやその他の装飾品や時には商品出しまで手伝って、一緒に店舗運営に入り込んだ提案をしていきます。

そうして、店舗の売上を上昇させることができれば、継続して自社商品を並べてもらえるようになります。そのため、営業先の店舗の棚割り状況や陳列を分析する力は営業力に左右します。

心理学が詰め込まれたコンビニのレイアウト

コンビニのレイアウトや棚の配置が人間の行動心理学を取り入れていることは、有名な話です。よく知られている内容ですが、少し整理してみましょう。

ゴールデンラインの法則

諸説あるのですが、スーパーでお客さんが見る角度を計算すると、床から135cm程度の高さが最も商品を認知しやすいゾーンだとされています。業種によって異なるのですが、これは「ゴールデンライン」と呼ばれ、その辺りに店側が売りたい商品が陳列されていることが多いです。

エンドを意識した売り方

店内の中央棚の両端をエンドスペースと言い、お客様の目に触れやすいことから、キャンペーン商品や店奥に飲み物陳列コーナーがある場合には、振り返るとおつまみがあるといった陳列に使用したりします。ついで買いを誘導するように上手く陳列が為されています。

新商品の陳列の仕方

人間は、まず正面を向いてから右へ視線を移動させる習慣があるそうです。そのため、特に売れ筋商品については、棚の真ん中に陳列し、右側に新商品やお勧めの商品が陳列されるように工夫が為されています。お菓子コーナーでいつものポテトチップスを買おうとして、目に留まった新商品を試したくなり、買ったことはあるのではないでしょうか?

マーケター・営業としての棚の見方

さて、ここからは、食品業界でビジネスをする上で、商品棚からどのように情報を読み取るべきか、紹介していきたいと思います。

トレンドを読み取る

スーパーはコンビニに比べて、棚のスペースが広いため、トレンドが捉えやすいと言えます。例えば、最近イオン系のスーパーでは、オーガニックの冷凍野菜コーナーが充実してきました。私が見ている限りですと、昨年の2倍ほどの規模になっていると感じます。その他の例で言いますと、ここ2年ほどで、生鮮野菜コーナーのトマトのバリエーションが増えてきました。

トマトは、実は野菜としては、購買頻度が最も多い野菜と言われています。トマトは野菜の中でもリコピンやビタミン群が豊富であり、アンチエイジング効果があるなどの認識が消費者にもあります。そのため、お店としても販売し易い商品と言えます。

こうしたトレンドを読み取り、パスタやスープを製造するメーカーの開発担当者やマーケティング担当者にトマト原料での商品設計の提案等をすると、上手くいったりします。あるいは、食品メーカーの担当者であれば、より敏感に売り場のトレンドを捉えて動く必要があります。

NB品とPB品の関係

コンビニを見てみると、馴染みのスナック菓子がPB(プライベートブランド)ラベルで売られている事に気が付きませんでしょうか。コンビニは全国に数万店を持つメガセールスチャネルですので、各メーカーが常に棚を取り合っています。しかしながら、大よそ2週間ほどで棚の顔ぶれは大きく変化します。

NB品(ナショナルブランド・自社ブランド品)を安定的に供給する方法としては、PB品として、コンビニ側に実力を認めてもらう必要があります。NB品で安定的な販売ができれば、PB品として、PB棚へと陳列する権利を得ることができます。PB品棚はNB品に比べて、入れ替わりが激しくないので、安定的な販売が見込めます。PB品棚に並んでいる商品は息が長いので、その商品に対しての例えば、原料販売等の売込みをすることは、正攻法と言えるでしょう。

まとめ

今回は、スーパーやコンビニの棚の見方について紹介しました。棚への陳列は非常に考え抜かれたロジックに基づいています。そうしたロジックを理解しながら、トレンドを汲み取ってどういったビジネスを仕掛けていくかは、食品業界でビジネスに携わる者においては醍醐味とも言えます。ただ観察するだけでもとても面白いので、是非、明日から棚を眺めてみることをお勧めします。

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