私が食品企業を辞めたかった理由と辞めなかった理由〜入社後のギャップや人間関係の壁


社会人になってから、ニュースで「新卒3年目までの離職率は〇〇%」や、入社から概ね3年以内に会社を辞めて転職活動を行う「第2新卒」という言葉を耳にするとドキッとしてしまいます。また、就活生の皆さんは、社会人の先輩や家族が、「仕事に行きたくない」「サザエさん症候群だ~」などと言っているのを聞いたことがあるかもしれません。

仕事をしていれば、誰でも辞めたくなる瞬間があるのは当たり前。例え辞めるにしても、嫌なことから逃げるようなネガティブな理由で辞めては転職にも不利です。では、辞めたくなってしまう理由にはどんなものがあり、実際辞めた人と辞めなかった人にはどのような考えの差があったのでしょうか?

入社1年目、イメージギャップに苦しむ。

入社1年目で辞めたくなってしまう理由は、ほとんどがイメージと実際の仕事とのギャップによるものでしょう。私の友人が実際に経験したのは、次のようなカルチャーショックです。ある日始業30分前に出社すると、すでに出社していた入社3年目の女性の先輩が皆の机を拭いて回っていました。体育会系の彼は、雑巾を絞って来て、「僕もやります!こちら側から拭いていきますね!」と声を掛けたそうです。すると先輩は、「〇〇君、掃除やお茶汲みは、女子社員がやらないと、私達が叱られるから…。」と苦い顔をされてしまったというのです。

私はと言えば、「ESでさんざん『どんな仕事がしたいか?』と聞かれたにも関わらず、実際やっているのは書類整理や重量物の運搬と言った雑用ばかりだ」、「新商品を担当したいのに、マイナーチェンジのリニューアルの仕事ばかりが回って来て、楽しくない。」というように感じて、入社前後の感覚の違いに戸惑った経験があります。

私は、入社1年足らずで仕事を辞めても転職できる見込みが薄いと思ったため仕事を続けたのですが、同期入社の友人の中には「開発サポート(調理やメニュー提案のみする仕事)」や「治験コーディネーターの派遣職」に転職するなど、仕事内容が想定の範囲内に収まるように修正する人も居ました。

入社2年目、人間関係と仕事の壁にぶつかる。

入社2年目になると、後輩への簡単な指導や他部署とのやり取りを任される機会が持てるようになると思います。そのような時に苦しんだのが、仕事での失敗や、人間関係のこじれでした。同期入社で同じ開発部に配属されたO君は、お祭り好きで皆のムードメーカー。若干抜けている所もありますが、愛嬌を兼ね備えた、マルチタスク脳の理系です。

対して私は、自分の課題や仕事に集中したいときは飲み会や遊びのことは忘れてしまうモノタスク脳の持ち主。ある日、同期が集まってのキャンプへの誘いを断ったことから、私達の関係はこじれ始めます。

「皆で楽しく・仲良くやりたいんだ!イベントは必須だよ!」というO君。「いやいや。同期は仕事の仲間だけれど、友達ではないから。プライベートは自由なはず。」という私。結局、職場で顔を合わせてもギクシャクし始めてしまい、とても悩みました。

また、仕事でも新製品立ち上げや現場・社外との調整といった難しい案件を任され始める時期。昼夜を問わず打ち込んだプロジェクトがペンディングという名の中止に追い込まれた時は、家に帰れば呪文のように「辞めたい、辞めたい。」と繰り返したこともあります。

この時、結局辞めなかったのは、それでも開発職の仕事を続けたかったからで、他に持っていたいくつかの案件が心の支えになったからです。実際、別の同期で、やはりプロジェクトが頓挫したH君は、約半年後に会社を辞めて行きました。

入社3年目、突然の異動・合わない上司にイライラ。

入社3年目に入ると、異動の辞令が出始める時期です。私の場合も開発部から品質保証部に異動の辞令が出たのでした。やっと仕事に慣れて、楽しくなってきた頃。まずショックです。折り合いを付けつつやってきた人間関係もリセット、取ろうと思っていた資格もリセット、どうしても、「私は開発部に必要な人間ではなかったんだ…。」と考えてしまいがちです。

私の他にも、研究職から現場での生産管理職に異動した同期、部署の再編で所属していた研究室が無くなり、開発部に異動した同期が同じような悩みを抱えていました。私の場合、異動先の上司とも微妙にソリが合わず、イライラが募る毎日…。小さな組織だったので、間に入ってくれる先輩もおらず、毎日の報告や相談のたびに緊張、緊張。ついには、今まで一度もなったこともない肩こりや腰痛にまでなりました。

同じように「異動ストレス」を抱えていた同期の内1人は、以前行っていた研究と同じ分野の研究ができる他社に転職が叶い、退職しました。もう1人は、「転職すると、年休やボーナスの査定額が減り、生涯賃金が減るから」という理由で仕事を続けました。

私はというと、肩こり・腰痛・気分の沈みで、とても転職活動をする気持ちに慣れず、当時は惰性のような気持で出社する「お荷物社員」になってしまったのでした。

自分のためだ、前向き残留or前向き転職

最終的に、私は新卒で入社した会社を辞め、転職しました。その理由は、「嫌なことから逃げるため」ではなく「新しいこと・今の会社ではできないことへのチャレンジ」というポジティブな理由でした。具体的には、法改正に伴う新ジャンルへの挑戦です。

日本においては、転職はネガティブに捉えられる文化がまだ残っていると思いますが、「●●はこの会社では出来ないけれど(ポジションや業種の問題)、どうしてもチャレンジしたい!」「今以上のスキルを身に着け、●●したい!」というエネルギーがあれば、早朝出勤や残業をしながらの転職活動でも乗り越えられるものです。

もし、辛い環境から逃げるためのネガティブ転職であれば、私は頑張り切れなかったのではないかと思っています。

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